2008年10月23日 更新

まず最初に、千点近くに及ぶ応募数の多さに驚きました。どれも、そのまま具体化してみたいようなものばかりでした。今回の試みに対する学生やデザイナーの関心が、きわめて高かった証です。日本のデザインもまだまだやれる、いや、もっとやれる、と思いました。ここ数年、韓国勢の台頭ばかりが目立つデザイン界ですが、それはデザイナー個々の能力というより、デザインに対する認識の甘い組織の側の問題なのだ、ということを強く感じました。物理的資源の乏しい我が国では、技術と品質はもちろん大切な資源ですが、最終的にそれを社会に結びつける優れたデザイナーも貴重な知的資源であることを理解すべきです。デザインに関するこうした試みを立ち上げ、新たな街作り活動の核としていこうという主催者の姿勢と意欲に敬意を表したいと思います。
今回のコンペでは、日本人であれば誰もが知っているようなモチーフを使った作品が数多く見られました。デザイン大国となりつつある日本には、きっと何らかの「仕掛け」があるのではないだろうかと感じます。日本には四季があり、島国として守られてきた歴史があります。また、八百万の神という考え方のおかげか、あらゆるものに対して畏敬の念が深いように思います。そのためか、感性が豊かな人が多いと感じるのです。計算、記憶、情報の整理等の作業を人間の代わりにこなしてくれる「コンピュータ」という便利な機械を誰でもが使えるようになりつつある現代においては、『感性』や『センス』、そして『デザイン』が一層求められていくと思います。20年後、このコンペで排出された日本人のデザイナーが、さらに世界を席巻していることを期待します。





