1. 【秋の美食ハイライト】Roppongi Terrace by Philippe Mille

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【秋の美食ハイライト】Roppongi Terrace by Philippe Mille

【秋の美食ハイライト】Roppongi Terrace by Philippe Mille Gourmet

シャンパーニュとともに味わいたい、絵画のようなひと皿

フランス料理界の大いなる希望の星と呼ばれるフィリップ・ミル氏が、その名声を確立したのは今から5年前のこと。彼の本拠地であるシャンパーニュ地方の名門シャトーホテル「ドメーヌ レ・クレイエール」のレストラン「ル・パルク」は、2010年にミル氏が総料理長に就任すると、翌年にはミシュランガイドの一つ星を、その翌年には二つ星を獲得。現在〝最も三つ星に近い〞と目されている名店だ。

そんなフランス料理界期待の若手シェフである彼に白羽の矢を立てて、今年3月にオープンした「六本木テラス フィリップ・ミル」は、ミル氏にとって、自身の名を冠した世界初の出店。約20年前から年に数回のペースで来日しているという大の親日家である彼は、「東京ミッドタウンは、上質なものを求める人々が集まる場所。グルメな街・東京にあって、特に料理やシャンパーニュに意識の高い方が多いところだと思います」と語り、この地で手腕を振るうのを楽しみにしていたという。

来日時は自ら厨房で腕を振るったフィリップ・ミル氏。2011年には38歳の若さでM.O.F.(フランス国家最優秀職人章)を獲得した。

同店のコンセプトは、〝優雅なシャンパーニュサロン〞。グラスに揺らぐシャンパーニュの動きをメタルワークで壁に施したエントランスを抜けると、ゆったりしたダイニングが広がる。その奥には個室が4室。緑豊かなミッドタウン・ガーデンに面したテラスに続く店内は、昼は陽光が差し込み、夜は美しい夜景が望める。

シャンパーニュサロンの名にふさわしく、同店の特徴は100銘柄以上ものシャンパーニュを揃えていること。ひと言でシャンパーニュといっても、原料のブドウ品種や製造工程は銘柄ごとに異なるため、味わいは実にバラエティ豊か。その幅の広さを3〜4種類の銘柄を通して楽しめるようにと用意されているのが「ソムリエおすすめのグラスシャンパーニュセット」。コースが進むにつれてシャンパーニュもコクや重みのある銘柄が供される仕組みで、これを目当てに訪れるゲストもいる人気メニューだ。

シャンパーニュはグラスでも常時、数種類用意。コース料理とのマリアージュを楽しめる人気の「ソムリエおすすめのグラスシャンパーニュセット」は3種4,500円~、4種6,000円~。※税・サービス料10%別

かたや料理といえば、見た目こそ現代的だが、その技法はフランス料理の原点に極めて忠実だ。
「私の料理は、シャンパーニュに合うよう、素材の味をストレートに引き出した正統的なフランス料理です。盛り付けはモダンでフェミニンですが、余計な飾り付けはしていません」

たとえば、定番の前菜「赤ワインでポッシェした半熟卵 ジャガイモのニョッキとシャンピニオン キャビアを添えて」を味わえば、ミル氏の言葉の意味がよくわかる。パートブリックで作られた花やニョッキ、ミニポワローなどの装飾はどれも味や食感に必要な構成要素。ワイン色のソースをまとった半熟卵にナイフを入れると、黄身がとろりと流れ出てソースとともにニョッキと絡む。パートブリックは食感、キャビアは塩気と旨みのアクセントになる。
「レシピは『ル・パルク』と同じですが、日本人の嗜好に合わせてお客様が自分で塩分量を調節できるよう、塩気の多いキャビアは別添えにしています」

芸術的な盛り付けの前菜「赤ワインでポッシェした半熟卵 ジャガイモのニョッキとシャンピニオン」(アラカルト4,000円/写真はキャビアを添えて7,500円)
※税・サービス料10%別

ミル氏は日本出店に備え、さまざまな日本食を食べ歩いたという。
「日本では、路地裏の小さな店でも、高級ホテルのレストランでも、洗練された味に出合えます。料理人の仕事ぶりは正確ですし、居心地もいい。また、素材の生かし方を見ていると、日本人がいかに自然に敬意を払っているかがよくわかります。私も、素材をリスペクトし、感謝を込めて料理に取り組んでいます。両者には、根底でつながるところがあるのではと思っています」

ミル氏が料理について常に心がけているのは、〝その土地のよさを最大限に生かす〞こと。
「日本の食材はフランス人の私にとってエキゾチックで魅力的。そんな食材との出合いが新たなアイデアにつながっていくのです」

また店では、産地に特注したという有田焼の食器を使っている。
「その土地ならではのすばらしいものを取り込むことによって、ますます料理の世界観が広がると思います」

テーブルウエアまで細やかな配慮を施す若きシェフ、フィリップ・ミル氏が生み出す繊細なフランス料理を、芳醇なシャンパーニュとともに味わってみたい。

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    ゆったりした店内にはダイニング80席、個室大小4室(2 ~12名)。開放的で大きな窓の外には緑豊かなガーデン・テラスと都心の街並みが広がる。

2017年10月25日UP
※TOKYO MIDTOWN STYLE2017年10月号掲載。
本ページの内容は本誌発行時点の情報であり、変更が生じている場合があります。詳細については各店舗にご連絡のうえ、ご確認をお願いいたします。

Photos : Masahiro Goda
Text : Megumi Komatsu