1. TOKYO MIDTOWN and me ‐東京ミッドタウンと私。第3回

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TOKYO MIDTOWN and me ‐東京ミッドタウンと私。第3回

TOKYO MIDTOWN and me ‐東京ミッドタウンと私。第3回 interview

HAL YAMASHITA 東京 山下 春幸

東京ミッドタウン開業を機に上京を果たし、和食の新時代を切り拓いてきた山下春幸シェフ。
「開業時、ありがたいことに多くのメディアに取り上げていただいたんですが、媒体によってうちのカテゴライズがフレンチ、和食と違っていて。お客様から『そちらは何を出されているんですか?』という問い合わせを結構いただきました。ところが最近はそういったことが一切ない。それが、この10年で一番、変わったことですね」。
山下氏が六本木から発信し続けている"新和食"が世に浸透したことの証だろう。

そんな山下氏のスペシャリテは、滋味溢れる「椎茸ポタージュ」。「昔、ホテルで大人気のスープといえばマッシュルームスープでした。だったら和食のタブーである生クリームをあえて使い、日本を代表するキノコでスープを作ろうかと。使うのは、岐阜県産の有機干し椎茸のみ。でも、それだけだとコクが出ません。そこで、火にかけた状態のおかゆを練り込んで水分を飛ばし、小麦粉やバターの代わりに使うんです。練るのは和食の基本ですから」。
和のテクニックを総動員したスープは子供から大人までファンが多い。「東京ミッドタウンは本当に粋なレストラン遣いをされるお客様が多くて、そんな方々に美味しいと言っていただけるということは、この料理がお客様や場所に馴染んできたということなんでしょう」。

椎茸ポタージュ

椎茸ポタージュ
¥1,296
世界中の星付きシェフからも作り方を聞かれるという山下氏のスペシャリテ。味が濃縮された岐阜県産有機干し椎茸は軸も傘も使い、鰹と昆布の出汁で炊き上げる。

笑いながら語る山下氏だが、迷走した時期もあった。
「開業当初、皆さんに喜んでもらおうと思うあまり、自分の味のバランスを見失ってしまったんです。そんな時『あなたの料理を食べに来ているんだから、自分の料理を出しなさい』と言っていくださる方がいて。それからですね、料理が安定 しはじめたのは」。

迷いを振り切り、走り続けることができたのはベース基地となるこの場所と果たしたい約束があったから。
「上京の際、ここを舞台に、この先10年で世界進出すると決めたんです」。すでにシンガポール進出を果たした山下氏。今年は東京ミッドタウン日比谷に加え、カルフォルニア州・ナパやバンクーバーへの出店を控える。これからも快進撃は続きそうだ。

山下 春幸 profile
一貫して新和食を発信し続ける『HAL YAMASHITA 東京』 オーナーシェフ。「クラシックになるのではなく、常に進化していかなければと思っています」。

2018年○月○日UP
※EAThink Vol.3掲載。
※価格はすべて税込価格となります。
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