1. TOKYO MIDTOWN and me ‐東京ミッドタウンと私。第4回

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TOKYO MIDTOWN and me ‐東京ミッドタウンと私。第4回

TOKYO MIDTOWN and me ‐東京ミッドタウンと私。第4回 interview

宮川町 水簾 島谷 宗宏

京都・鴨川裏、五花街のひとつ宮川町に暖簾を掲げる割烹・会席料理 の名店。京の伝統と趣ある魅力をそのままに、東京ミッドタウンに進出したのは2017年8月のこと。今年の夏、最初の節目となるオープン1周年を迎える。「当時、東京にはまだ不慣れで、正直ちょっとした憧れもありました。出店のお話をいただき初めは戸惑いながらも、これは大きなチャンスだと思いました。東京の真ん中、それも東京ミッドタウンで勝負できるということは人生でまたとない絶好の機会ですし、大変光栄なこと。料理人冥利に尽きます」と、当時を懐かしく振り返る島谷宗宏氏。

一軒家という京都本店のロケーションとは大きく異なり、大規模商業施設内の一角に位置する同店。また和食においては「水」の違いも大きく、調整が必要とされた。
「水の違いは料理の基本となる出汁にそのまま影響します。京都と同じ味が出せるよう、最初は工夫に工夫を重ねました。お客さまの層は、場所柄によって変わってきます。京都の店は基本的に予約のお客さまが中心ですが、東京の場合、ショッピングや芸術鑑賞、ビジネスの合間にご来店される方も多くいらっしゃる。臨機応変な対応が必要とされますが、京都とは違った出会いやご縁 に恵まれることも少なくありません」。
東と西を忙しく行き来する、島谷氏。端正なカウンターを舞台に、ここ六本木でも新たな「水簾」ファンを着実に増やしつつあ る。節目となる1周年を迎えても、確固たる信条とスタイルに変わりはない。

穴子のお寿司14,040

「おまかせ中(全9品)」より
穴子のお寿司 ¥14,040
※記載はコースの価格です
正月のおせちや花見弁当など、季節ごとに仕立てる小さなお重。手が込んだ盛り付けは女性のお客さまに大好評。サプライズ感が満載だ。

「東京のお客さまに、"今後もこのままのやり方を続けていこうと思います"と私の思いをお伝えすると、皆さん賛同してくださる。今までやってきた方向性が受け入れられ、嬉しく感じると同時にモチベーションに繋がります。六本木だから、東京ミッドタウンだから、と意識し過ぎず、京都で培ってきたことをもっと多くの方に知ってもらいたい」。
客と料理人との距離が近く、会話の掛け合いも楽しみなカウンターに立ち続ける島谷氏。「京都の街で支持さ れ、愛され続けるカウンターの文化を東京でも広めていきたい」と抱負を語る表情は、静かな情熱に満ちている。

島谷 宗宏 profile
『嵐山辨慶』『貴船ひろや』等を経て、日本料理アカデミー主催のコンペティション優勝、2012年『宮川町 水簾』初代料理長。総料理長として店を率いる。

2018年6月6日UP
※EAThink Vol.4掲載。
※価格はすべて税込価格となります。
※本ページの内容は本誌発行時点の情報であり、変更が生じている場合があります。詳細については各店舗にご連絡のうえ、ご確認をお願いいたします。