
「光と風と遊ぶ家族時間。」蒼い空の下に広がる豊かな緑。傍らにある心地いい場所へ足を運べば素敵な時間がはじまります。入江さん一家のそばに広がるその空間は、家族の大切な場所。晴れた日の陽光が木々の間からこぼれ落ちるなかいつもとは違う家族の表情に出会えます。
小さなリュックサックを背負い、そわそわしているかわいい姉妹。その様子を見ながら、コーヒーを入れた水筒やおにぎりをカバンに詰めているのが、フォトグラファーの入江英樹さん、絵日記作家のフクダカヨさん夫妻。スッキリと晴れ渡った週末は、自宅から徒歩2分の場所にある、こんもりと茂った緑の中が一家団らんの舞台となります。準備が整ったところで、さぁ出発です。
「家からでも見える距離とはいえ、緑がある場所へ実際に足を運ぶかどうかは人それぞれ。ただ、そこに一歩足を踏み入れると、家の中の世界とは別の世界が広がっているんです。例えばほら、アスファルトの道から土の道に変わっただけで、こんなにも涼しくなるでしょう? 子どもたちの表情も一気に和むんです」

広い空の下で家族はもっと近くなる

ひんやりとした空気と土の香りが合図になったかのように、家からの道すがらはママに抱っこをせがんでいた2歳の夏乃ちゃんも、緑の中に入った途端自分の足で駆け出しました。ここの道は全部知っているという小春ちゃんは、「今日はこっちの道!」と言いながら道案内をしてくれます。途中、落ちている小枝や木の実を拾い集めたり、二股に分かれた幹の間に登ってみたり、小さなアリやてんとう虫の動きを眺めたり……。木々の中で過ごす一家の時間はゆっくりと進んでいきます。
「こんな風に子どもたちが楽しそうに遊んでいる姿を見るのって、親にとってはすごくうれしいこと。私たちも一緒になって楽しんでいます。思えば家の中だとさまざまな雑事に追われて、子どもたちだけに集中する時間って少ないんですよね。でも、ここではたっぷり子どもたちと向き合えます。それはここに木や土や空しかないということももちろんなんですけれど、それ以上に私たち自身がリラックスできている証拠でもあるんですよね。自然を感じる場所に身を置くことで、家族の絆が深まっているような気がします」
豊かな緑に囲まれて 疲れまでほぐれていく
寄り道をしながら歩くこと約1時間。入江家が“イスのとこ”と呼ぶお気に入りのベンチに到着したところで、お弁当を広げます。おいしそうにおにぎりをほおばる子どもたちにカメラを向ける入江さん。
「ここに来る時はいつもカメラを持参します。真剣に遊んでいる姿や楽しそうに笑う様子など、シャッターチャンスがいっぱいあるんですよ。ここは、仕事で撮るものとはひと味違う写真が撮れる、特別な場所でもあります。平日に疲れを感じても、『週末に“モリ”へ行こう』と思うと気持ちがラクになったりするので、緑がある場所は欠かせません」
そんな気持ちは絵日記作家として活躍する母親のフクダさんも同じ。
「自宅で仕事をしていて煮詰まった時など、一人でふらりとこの場所に来るんです。そうすると不思議とアイデアが浮かんだり、気分がスッキリしたり。最近はこの緑の中でヨガも始めました。これがとっても気持ちいいんです! 子どもたちには最高の遊び場であるこの場所も、私たち大人にとっては遊び場であると同時に、疲れた心を癒す場所。これからも思い思いの過ごし方で、この空間を楽しみたいと思います」



子供の頃、家の裏の雑木林で夏にはビワを取り、冬にはどんぐりやパリパリになった落ち葉を必死に探してバケツに集めていました。子供にとって、緑の中にいることは毎日が冒険であり発見なのだと思います。大人になると見落としてしまう発見や冒険心も、緑の中では思い出せそうです。幼い頃のワクワクドキドキした気持ちを取り戻せるのも、素敵な緑の仕業かもしれませんね。お弁当を広げて、ほんのひとときを過ごすだけで、そこが特別な場所に変わる。身近な緑をもう一度探してみれば、思いがけない癒しの空間があるかもしれません。私も探してみたいと思いました。[M]






