TOKYO MIDTOWN AGED 10 YEARS

土田 ルリ子

サントリー美術館 学芸副部長

TOKYO MIDTOWN 10周年特別インタビューキーパーソンが語る 過去・現在・未来

日本の美がもつ力で、さまざまな人々を結び、感動を広げていきたい。

土田 ルリ子 サントリー美術館 学芸副部長
土田ルリ子

サントリー美術館は、1961年に開館。東京ミッドタウンのオープンとともに「美を結ぶ。美をひらく。」というミュージアムメッセージを掲げ、この地に移転した。学芸員の土田ルリ子さんは、こう話す。
「移転後初の展覧会『日本を祝う』では、展示ケースの形状や展示方法にミリ単位でこだわりました。空間や照明が一新された場で、一つひとつの作品が見違えるように輝いて見えたことを鮮明に覚えています。最近では昨年の『鈴木其一 江戸琳派の旗手』展も印象に残っています。江戸琳派の真打とも呼ばれる人ですが、其一ひとりを取り上げる展覧会は今までなかった。でも、結果的には爆発的な人気となりました。展示方法や切り口で、そうした人物にスポットを当てられたことは非常に感慨深いです」

藍色ちろり(江戸時代  サントリー美術館蔵)
「日本を祝う」展で展示された藍色ちろり(江戸時代 サントリー美術館蔵)

海外に赴くことも多い土田さん。そんななかで日本の美術品に関して気づいたことがあるという。
「日本人は見えない細部へも手を抜きません。これは、自分と闘い、作品の精度を極めようとする職人気質、芸術に真摯に向き合う姿勢からだと思います。それらが日本の美術品の特徴であり、今日のメイド・イン・ジャパンへの信頼にもつながっているように思います」

左「森と湖の国 フィンランド・デザイン」展 右「日本を祝う」展
左.土田さんが手がけた2012年の「森と湖の国 フィンランド・デザイン」展は若い世代の人気を集めた。右.2007年の「日本を祝う」展は、移転後初の展覧会。

東京ミッドタウンが誕生してからのこの街の変化も印象深いと土田さん。
「この10年で六本木はアートの街、大人の街として定着しました。多様な人が集まる場所だからこそ、本物をお見せしたい、上質な日本美術をきちんと伝えたい、日々そう思っています」

PROFILE

土田 ルリ子
サントリー美術館 学芸副部長

慶應義塾大学大学院修了後、サントリー美術館勤務。2001年から学芸員として、ガラスの展覧会をはじめ、多くの企画展を担当。六本木開館記念展も手がけた。

サントリー美術館
http://suntory.jp/SMA/

Photo: Setsuo Sugiyama
Interview: Takahiro Tsuchida

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