2008年10月23日 更新

都市の活気ある場所に作品を展示する、そのエキサイティングな魅力ある機会に、初回ながらたくさんの応募があったことに、若いアーティストの皆さんの意欲的な関心が伝わってきました。今回のコンペを通じて感じた2つのことがあります。ひとつはもっとチャレンジングであってほしいこと。発表の機会を求めるだけで、既存の作品のプレゼンテーションに終わってしまうケースも多く見受けられました。なぜこの時、この場所で、この作品を作るのか。その問いをいつも自問してほしいと思います。もうひとつは自身の作品について語る言葉が薄いこと。制作技術だけでなく、作品の背景にあるコンセプトをしっかり打ち立て、表現者としての考えを伝えていくことの大切さと責任を改め考えてみてください。
まず第一に、多くの若いアーティストが参加し、さまざまなコンペ案を提案したことを高く評価したい。今回は第1回であり方向性が見えにくかったと思うが、展示場所の特殊な条件にもかかわらず、多くの挑戦があったことを喜びたいと思う。実際、展示場所の条件は制約でもあるがさまざまなことが想定できる面白さもある。最終選考には漏れたが、コンピューターを用いた作品にも秀作があり、次回に期待したい。また絵画作品はこうしたコンペでは分が悪いが、展示方法とコンセプト次第では効果がだせると思うのでこれもまた次回を期待したい。全般的に言えることはコンセプトが弱いことであり、この場所に展示することの意味、与えられたテーマの意味をもっとよく考えてはどうかと思う。また作品の完成度を高めて欲しいと思う。今回はグランプリを選ばなかったが今後のさらなる展開を期待してのことである。
今回展示された三作品は、どれも主催者や審査委員の期待に応える良い作品になったと思います。ただし、非常に残念なことですが、今回は突出した印象を与える「これしかない」という作品には出会えませんでした。三作品とも「ここがこうだったら良いのに」といういわば弱点の部分があり、協議の結果(来年を期待して)、今年は「グランプリ該当なし」となりました。ただ、制作していただいた3人の作家はすでに充分な実力があり、また今後の飛躍が期待できる方ばかりだと思います。どうか皆様、3人の作家の作品を実物で見ていただき、できれば名前を憶えていただき、今後も注目していただければ、審査委員の一人としてこれに勝る悦びはありません。





