テーマ | 「まん中」 |
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審査員 | 小山 薫堂、佐藤 卓、柴田 文江、原 研哉、水野 学 |
賞 | グランプリ(賞金100万円)─── 1点 準グランプリ(賞金50万円) ─── 1点 優秀賞(賞金30万円)─── 1点 審査員特別賞(賞金5万円)─── 5点 ※グランプリ受賞者を、香港で行われるアジア最大のデザインイベント「Bussiness of Design Week」へご招待します。 |
応募期間 | 2013年7月1日(月)~7月29日(月) |

グランプリ(賞金100万円)

【受賞者】
bivouac(ビバーク)
稻田 尊久 鹿児島県出身
姫野 恭央 埼玉県出身
田中 和行 大阪府出身
田島 史絵 沖縄県出身
【受賞作】
MID DAY

7月2日は元旦から182日、大晦日まで182日、1年365日のちょうど「まん中の日」です。大晦日や元旦と違って、決して祝われることはないその7月2日を、MID DAYとして祝ってみてはどうでしょう。それまでの半年を振りかえり、これからの半年を想う1日になることを願って。

準グランプリ(賞金50万円)

【受賞者】
鈴木 萌乃 東京都出身
【受賞作】
ATARI MANJU

的のまん中を射ぬく矢は、大当たり(幸運)のシンボルとして用いられます。矢の楊枝でまんじゅうのまん中を射ぬいたら願い事をしてパクリと口に入れる、そんな縁起のいいお菓子です。宝くじと一緒に買って帰るのはどうでしょう?


優秀賞(賞金30万円)

【受賞者】
吉原 まさひこ 神奈川県出身
【受賞作】
マト良子

私たちは誰かと向き合う時、その人の中心にある「本質=まん中」を見ているつもりで見えていない。外見、言葉、評判、想い、雰囲気、生い立ち、家族、故郷、歴史、肩書き。様々な先入観にとらわれ、その人の本質を見失う。マト良子は、そんな状況を具現化した変身フィギュアである。目で見ることのできない人間の心の「まん中」を、良子を通して感じることで、今一度、私たちの心の在り方を見つめ直したい。
審査員特別賞

小山薫堂賞(賞金5万円)

【受賞者】
福嶋 健吾 東京都出身
【受賞作】
切手用はがき

切手を中心に考える、切手用のはがきです。今まで端にいた小さな一枚の切手がこのハガキの中心となる。ハガキを縦や横にする事でほとんどのサイズの切手を貼る事が出来ます。「この切手にしよう!」楽しみながら切手選んで頂きたい。


佐藤卓賞(賞金5万円)

【受賞者】
伊藤 兼太朗 愛知県出身
伊藤 るみえ 埼玉県出身
【受賞作】
端のないオセロ

オセロの必勝法は、四隅を奪うことです。そのため、ゲーム中盤からこの攻防戦に終始し、四隅を奪われれば呆気なく勝負がついてしまいます。「端のないオセロ」は、石の形を四角形にすることで8×8= 64のマス目を取り払い、その必勝法を無効化しました。これまでのセオリーが通用しなくなったとき、新たな才能が生まれるかもしれません。真ん中真っ向勝負で挑んでください。


柴田文江賞(賞金5万円)

【受賞者】
上西 綺香 和歌山県出身
【受賞作】
中心箱

お弁当箱に「まん中」がある。それだけで自然と人の「まん中」が出来上がります。盛り付けの工夫の幅が広がり、健康によい主食と副食のバランスも保ちます。詰めやすくて美しい、人と囲めるお弁当箱です。


原研哉賞(賞金5万円)

【受賞者】
元谷 文則 兵庫県出身
【受賞作】
梅消し

不思議とノートのまん中に置きたくなる消しゴムです。その様子はまるで日の丸弁当のように見えます。梅干しでご飯が進むように、梅消しで筆が進むことを願う、ちょっぴりしょっぱいユーモアが込められています。


水野学賞(5万円)

【受賞者】
海福 恒太 静岡県出身
【受賞作】
In the mirror

日々の暮らしの中に花をそえたいという気持ちがありました。この花瓶の真ん中から半分は鏡の中に存在していて、この花瓶に花を活けると花もまた鏡の中にあらわれます。日常的に花が手に入らなくても、帰り道に咲いている花を摘んでこの花瓶に活けたら、毎日の暮らしを花やかに彩ってくれます。





デザインコンペは、「まん中」をテーマに作品を募集し、1,333作品の応募がありました。審査会では「デザイン力」「提案(プレゼンテーション)力」、「テーマの理解力」、「消費者ニーズの理解力」、「商品化の可能性」を基準に、5人の審査員が応募シート(プレゼンテーションシート)を審査。第一部で入賞候補の選出を行い、第二部で論議を重ね、「グランプリ」1作品、「準グランプリ」1作品、「優秀賞」1作品、審査員各自が選んだ「審査員特別賞」を5作品選出し、計8作品が受賞しました。
「まん中」というテーマをうけて、日常の身の回りにあるモノの「中心」や「半分」に着眼した提案を多く頂きました。そうした中で、「モノ」ではない「コト」がグランプリになり、「フィギュア」という新しい領域の「モノ」が受賞したことは新鮮です。まさに、「人が出会い、文化が出会う都心のまん中。才能が交差して新しい価値が生まれる」という言葉にふさわしい結果だと思います。
これまでと同様に、入賞作品については、商品化の可能性を探っていきますが、商品化検討のプロセスを通じて、東京ミッドタウンがものづくりの現場とデザイナーをつないでいき、それぞれがより意味のある形で何かを学べる機会を提供できれば、と思います。
本コンペのスタイルであるプレゼンシート1枚での勝負は、自由である一方、1枚で表現する難しさがあります。今回入賞された応募者のシートを是非展示会場でご覧いただければと思います。ご応募いただいた全ての皆さま、今回はチャレンジしてくださり、ありがとうございました。
※ HP上の受賞作の作品写真は全て、受賞決定後に受賞者自身により制作頂いた模型を主催者が撮影したものです。審査の対象となったプレゼンシート内容とは異なります。各プレゼンシートは期間中展示スペースにてご覧いただけます。
アジアデザイン賞(DFAA)(http://www.dfaaward.com/2013/page/jp/index/)
特に今年の優勝作品は、「もの」ではなく「こと」の提案でした。2008年の第一回目のテーマが「日本の新しいお土産を作る」だったことを考えれば、このコンペティションそのものが成熟していると言えるのかもしれません。