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Tokyo Midtown Award 2014 結果発表

Tokyo Midtown Award 2014 結果発表

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Tokyo Midtown Award 2014 アートコンペ結果発表

概要

テーマ 「なし」
審査員 児島 やよい、清水 敏男、土屋 公雄、中山 ダイスケ、八谷 和彦
グランプリ(賞金100万円)─── 1点
準グランプリ(賞金50万円)───1点
優秀賞(賞金10万円)─── 4点
※グランプリ受賞者を、University of Hawai’iのアートプログラムに招聘します。
応募期間 2014年5月15日(木)~6月5日(木)

受賞作

Corvus

グランプリ(賞金100万円)

【受賞者】
原田 武
金属造形家
愛知県出身、広島県在住

【受賞作】
群雄割拠

原田 武

建築されてから時間が経過したコンクリートブロックの壁、一部は崩れ雑草が生えていた。その草や壁には小さい生き物達が住んでいる。
子供のときには身近で何気ない所から発見をして喜びを感じていた。
年を重ねていくにつれてそうした発見や感動は無くなっていく。
そんな日常に金属によって作られた塀や虫や花によって観察と発見をする喜びを与えたい。

制作協力:
株式会社こま美術、株式会社フシキ

準グランプリ(賞金50万円)

【受賞者】
加藤 立
フリーランスデザイナー
愛知県出身、東京都在住

【受賞作】
TODAY

加藤 立

「そのとき街で通り過ぎた一台の車のナンバーが自分の誕生日と同じだった。」

この作品は毎日、作家が写真を入れ替えています。
以下の作家のホームページのトップにもなっておりますので、ぜひご覧ください。
http://www.ryukato.com/

東京ドリーム 制作協力:
有限会社ガガンボ

優秀賞(賞金10万円)

【受賞者】
大塚 亨
美術家/仏像彫刻家
岐阜県出身、神奈川県在住

【受賞作】
Empty freezer (m12)

大塚 亨 ©大塚 亨

仏教の教えの中で無常(どんなものにも始まりと終わりがあるということ)という言葉があります。この世が無常である限り、仏像でも、プラパック等の使い捨てのものでも同じようにいずれは朽ちていく、大差のないものではないでしょうか。しかし、実際は仏像、使い捨てのものとして当然のように分けられています。
そこで、仏像と同じ彫刻技法で作られたプラパック等から、いままでの価値観に疑問を提示できたらと考えています。

優秀賞(賞金10万円)

【受賞者】
小林 万里子
テキスタイル作家
大阪府出身、埼玉県在住

【受賞作】
明日へ変わる

小林 万里子 ©小林 万里子

昨日の私と今日の私は全く同じではない。
自分という存在は変化し続ける流れそのもので、変わらずそこに在り続ける事は不可能だ。現代社会はこの生命の流れに似ていると私は思う。
日々生産される多くの物や情報の代わりに、失われるものもまた同じだけある。変わりたいと願う自分がいて、変わらないで欲しいと思う風景があって、変わり続ける自然の流れがある。

私達の矛盾した気持ちとは裏腹に、生命はただ真っ直ぐに、明日へ変わる。

クレマアチス 制作協力:
有限会社ファームファクトリー

優秀賞(賞金10万円)

【受賞者】
住田 衣里
学生
愛知県出身、在住

【受賞作】
The other

住田 衣里

モチーフのハイヒールは都会で生き生きと暮らす女性のイメージの投影です。
この作品の最も重要なストーリーは「社会に対し、憤った女性が履いていた片方の靴を衝動的に投げ、ふと、我に返った時にもう片方の靴を見たら、靴のヒールが獣の足になっていた。」というものです。
東京ミッドタウンに設置することで、都会で生きる人のスタイリッシュさと人間の持つ動物的な本能の両面を映し出す「鏡」の役割を担うと考えます。

TRANSFORM

優秀賞(賞金10万円)

【受賞者】
山田 弘幸
アーティスト
香川県出身、大阪府在住

【受賞作】
欲玉

中里 洋介

私は色、形、性質も違う個が雑多に混ざり合い、その集合体内部で勝手に出来上がる秩序や構造に美を感じる。集合体の外形を創るのが国家や世界秩序。違いが有りながらも一つの球体(地球)を共有し 皆、各自の欲に向かって与えられた生を一生懸命生きている。
人間の欲望を一枚の食パンに見立てそこに飛びつく人たちを卵子に群がる精子のように我々が生きている今の時代を可視化 した。東京ミッドタウンの軒下を奉る杉玉をモチーフに『欲玉』と題した作品。

審査員コメント

児島 やよい
児島 やよい (フリーランス・キュレーター/ライター/慶応義塾大学、明治学院大学非常勤講師)
今年はテーマの枠をはずしたので、表現のメディアや手法に広がりが出て、今までにないタイプの作品が見られました。コンセプトだけ、技術や手わざだけでは作品として認められない。さらに現場での空間処理と判断、人とのコミュニケーションも必要、という、まさにアーティストが直面する課題が凝縮したコンペです。そのすべてに直面し、展示した作品へのさまざまな反応をライヴで受け止めた6人の方々が、今後活躍されることを確信しています。
清水 敏男
清水 敏男 (東京ミッドタウンアートワークディレクター/学習院女子大学教授)
今年はテーマを主催者から提案しなかったが、これは参加作家が自分でテーマを見つけプレゼンする、ということだった。最後に残った作家たちは、自分のテーマを語ることができたと思う。これまでと異なり工芸的作品が増えたが、工芸とアートとしてのコンセプトの接点に面白いものがあった。完成作品については、コンセプトの面白さに技術が追いつかないものもあったが、予想以上にすばらしいものがあり、今後の活躍に期待したい。
土屋 公雄
土屋 公雄 (彫刻家 / 愛知県立芸術大学大学院教授)
これまでのテーマであった「都市」が外れたことで、それぞれ応募者が、主体的に「場」と交差するかたちで個々のテーマを設定し、作品イメージをつくり上げている。従って応募作品も、これまで以上に表現の幅が広く感じられた。今回最終選考に残った6名に共通する部分は、すでに独自の表現力・世界観を持ったところではないだろうか。さらに原田武の「群雄割拠」や大塚亨の「Empty freezer (m12)」には、メチエとしての技術的裏付けも感じられた。今年のアート作品は、じっくり近距離でも楽しんでいただけることだろう。
中山 ダイスケ
中山 ダイスケ (アーティスト/アートディレクター/東北芸術工科大学グラフィックデザイン学科学科長)
本来、アーティストは自由に制作すればいいでしょう。しかし、いったん「コンペ」という舞台に出すと決めたなら、今いちど、自分という作家の「良さ」について客観的になるべきです。本人も保証できない新しい挑戦や、むりやりなコンセプト探しなんて、日常のアトリエでやればいい。目線も素材も手法も異なる他人の表現と比較されるという、コンペの不条理を理解するならば、持ち込むべきはあなたの「良さ」しかないはずです。「まぐれ」はありません。
八谷 和彦
八谷 和彦 (メディア・アーティスト/東京藝術大学先端芸術表現科准教授)
作家性のことを時々考える。私の考える作家性とは、例えばある作家…仮にAさんとするが、そのAさんの作った別の作品を見て、その作品に作家名などが全く表記されていなくても「あ、これはAさんが作った作品だな」となんとなく分かる、その「作品が持っているトーン」とも言うべきものが作家性だと考えている。もちろん、作品の露出が増えていけばその作品と作家の結びつきは強くなるのだが、たとえまだそれほどメジャーでなくても、また作品点数が少なくてもわかる「何かのトーン」を持っていたりする作家を発見するとうれしく感じるのだった。今回の選考でも、そのような作家を選べてよかったと思っています。同時に、観客の皆さんにはぜひこの作家達の作品を覚えていて欲しいです。きっとまたいつか出会いますから。

審査風景

審査風景

総括

今年度は、はじめてテーマを設けずに、東京ミッドタウンを代表するパブリックスペースであるプラザB1Fを舞台に、東京ミッドタウンという場所を活かしたサイトスペシフィックな作品を募集、総計357作品の応募がありました(応募条件は39歳以下、かつ1名(組)1作品案まで)。その数は昨年をはるかに上回り、応募作品は、彫刻や平面作品のみならず、写真やテキスタイル等、幅広い分野にわたりました。

「コンセプト」「場所性」「芸術性」「現実性」「独創性」を審査基準として、1次審査で12作品を選出。2次審査ではそれぞれの作家が模型を使って公開プレゼンテーションを行い、計6点の入選作品を選出しました。今年度はこれまで通過したことのなかった、写真とテキスタイルの分野での入選が見られました。通過者6名には制作補助金として100万円が支給され、2014年9月25日(木)より公開制作を実施。10月6日(月)の最終審査にて、グランプリ1作品、準グランプリ1作品、優秀賞4作品の各賞が決定しました。

今年度は共通のテーマを設けなかったこともあり、ジャンルや表現方法が多岐にわたったため、例年より審査に時間を要したことは、今年度の特筆すべき特徴です。また、テーマが自由になった分、テーマも含め、公共性の高い商業スペースである「場」で作品をどう見せるか、という点においては、来年への期待を残す結果となりました。6名の受賞者には大きな拍手を送るとともに、今回ご応募いただきましたすべての皆様に、心より感謝申しあげます。

協力
TOSHIO SHIMIZU ART OFFICE(http://www.shimizuoffice.com/
後援
University of Hawaii at Manoa / Department of Art and Art History(http://www.uhm.hawaii.edu/
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