1. TOKYO MIDTOWN and me ‐東京ミッドタウンと私。第2回

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TOKYO MIDTOWN and me ‐東京ミッドタウンと私。第2回

TOKYO MIDTOWN and me ‐東京ミッドタウンと私。第2回 interview

SILIN 火龍園 唐 朱興(Tong ZhuXing)

「もう10年間、この特別な風景を特等席から眺め続けてきました」と話すのは、『SILIN火龍園』オーナーシェフ・唐 朱興氏。横浜に生まれ、料理人であった父の友人・周 富徳氏に18歳の時に弟子入り。『聘珍樓』『璃宮』、神戸『周記』など名店で研鑽を重ねた、広東料理界のエリートだ。35歳の時に独立し、40歳の時東京ミッドタウン開業時にこの店を構えた。「世田谷の自宅と六本木を往復する毎日ですが、ここから見る景色は特別だといつも感じます。大都会にあって緑が多く、窓越しにはいつも特別なイベントが開催されていて。特に桜の頃と夏の花火、クリスマスのイルミネーションは、毎年ワクワクしますね」。

そんな唐氏がこの店で提供する料理は、ズバリ安心して楽しんでもらえる料理。「奇をてらった皿よりも、鮮魚の姿蒸しとか、誰もが好きな料理をクオリティ高く作ることが大切。その味を六本木らしい洗練された空間とプレゼンテーションでお届け出来れば」。そんな彼の理想を追求するために肝心だというのが、毎日の仕入れ。唐氏は今も毎日のように築地に足を運び、トレーサビリティにも配慮した食材を吟味。それが医食同源を体現したコースとなる。「六本木のお客様は、本当に上質なものをご存じの方が多く、それだけに1回1回のお食事が僕にとっては真剣勝負。この10年はいつも背筋が伸びる思いで働くことができて、本当に充実した時間だったと思います」。海外からのゲストも多い六本木店では、スタッフも多国籍。またお酒を楽しむ機会も多いからと、ソムリエが常駐している点も魅力のひとつだ。

そんな六本木店の中でも、圧倒的な注文数を誇るのが「プリプリ海老の特製マヨネーズソース和え」。これは師匠の周 富徳氏がコンクール用に考案してくれた思い出のひと品だ。一見すると海老マヨとは思えないが、食べると凝縮した海老のうまみを自家製マヨネーズがさらに引き立てる。「以前はこれに他の食材を入れてみたりと試行錯誤を繰り返しましたが、今はシンプルに海老だけです」。海老マヨをアペリティフとして気軽に楽しめるこの料理は、師匠から教わった料理は心を尽くしなさいという哲学を形にしたひと皿だ。

プリプリ海老の特製マヨネーズソース和え
¥620(1本・注文は2本より)
25年前に中国のコンクールで金賞を受賞したひと皿。海老の身を握り、片栗粉を付けて揚げた。コンデンスミルクなどを隠し味に加えた自家製マヨネーズが海老を引き立てる。

唐 朱興(Tong ZhuXing) profile
『SILIN火龍園』オーナーシェフ。18歳で周 富徳氏に弟子入り。数々の有名店で研鑽を積み2001年世田谷に『火龍園』を開店。趣味はサーフィン。

2017年12月1日UP
※EAThink Vol.1掲載。
※価格はすべて税込価格となります。
※本ページの内容は本誌発行時点の情報であり、変更が生じている場合があります。詳細については各店舗にご連絡のうえ、ご確認をお願いいたします。