
快適な街の生活のなかでも 気がつけば緑はすぐそこにあるもの。 今日もそっと季節の移ろいを伝えてくれています。 同じ緑の風景をみながら暮らす蟹瀬さん親子。 たとえいつも肩を並べて歩かなくても 豊かな自然のなかで思うことは同じでした。
“白米(はくまい)”と名づけられた真っ白いトイプードルとともに現れたのは、ジャーナリストの蟹瀬誠一さんと、長女で女優・ダンサーとして活躍するレナさん。
自宅から歩ける距離にあるこの緑の場所は、蟹瀬さん家族にとって日常の風景のひとつだといいます。とくにレナさんは、ほぼ毎日ここを訪れるそう。
「私は白米の散歩に来ることが多いですが、母と食材を買いに来たり、1人で買い物やカフェでお茶をしに来て立ち寄ったり。用事がなくても、ふらりと来ちゃうんですよね。ビルやアスファルトに囲まれた空間にいると息苦しくなってしまうので、こうして都心の真ん中にもかかわらず、グリーンいっぱいの場所があることに救われます。豊かな木々の魅力ももちろんですが、そこにいる人たちがゆったりと過ごしている、この感じが好きなんです。ギスギスしていない空気というか。緑の中でそういう人たちを見ていると、自分のこころも開放されていくような気がします」
木々と人々がつくりだす、ゆるやかな空気

小脇に本を携えてやってきた蟹瀬さんは、青空の下をまるで書斎のように使います。
「時間があるときに来て、木の下のベンチに座って本を読んだり、音楽を聴いたりしています。家でもできるようなことですけれど、それを自然の中ですると、ひと味違うんですよ。なぜなら、人間は遠い昔、森の中に住んでいたわけですが、それは森の中が安全な場所だったから。そのときの感覚がDNAに組み込まれていて、今でも人は緑が多い場所にいると落ち着いたり、安心したりするんです。自然を見てほっとするというのは、昔からある人間の本能なんですよね」
そんな蟹瀬さんは現在、都内のほかに軽井沢にも自宅を構え、マルチハビテーション(二地域移住)スタイルで暮らしているそう。
「週末を軽井沢で過ごすというと、オフの時間を楽しみに行くと思われがちですが、僕にとっては軽井沢もオンなんです。だから都心の緑からも、軽井沢の緑からも、どちらからもパワーをもらっています。僕にとって緑は欠かせないものなんですね」
暮らしと親和する、英国流の緑の時間を知って
緑のなかで過ごす時間が、蟹瀬さん親子の暮らしにこれほどまであたり前にあるのは、海外で暮らしていた影響もあるようです。
「かつて僕がイギリスに滞在していた時、まわりに散歩を趣味にしている英国人がたくさんいました。というのも、ロンドン市内には散歩に適した公園が結構あって、みんなあたり前のようにそこへ行くんですよ。イングリッシュガーデンというのは、あまり手を加えず、野草をそのまま楽しむことを目的に整備されていて、同じ場所でも春は新緑、秋は紅葉など、季節によってさまざまな自然のままの表情を楽しめるんです」
「私もバレエ留学でイギリスにいました。父がいたロンドンとは違い田舎のほうでしたが、やっぱり豊かな自然と四季折々で変わる景色が印象的でしたね。日本に帰ってきてからも、四季の移り変わりに目がいくようになりました」
「いつも行く場所にある木、家から見える木。同じ木でも毎年、紅葉の色づき具合も違う」と頷き合う蟹瀬さんとレナさん。ごく普通の日々のひとこまに、同じ緑の景色があり、それぞれの時間がある。そんな何気ないけれど贅沢な暮らしは、すぐ隣にあるのかもしれません。



緑の中で過ごす時間がごく自然なこととして生活の一部にある、蟹瀬さん親子。お二人のゆったりとした雰囲気は、そんなライフスタイルが生んだ空気感なのでしょうね。「何かをするために」ではなく、こうして生活の一部として緑を感じることができたらとても素敵です。木々の間を歩くだけでも四季の移ろいを感じる11月。もうすぐ街路樹にも灯りがともります。東京ミッドタウンも、美しい光をまとって皆さまをお待ちしています。
今年度のMIDPARK PROJECT 2010 『ある日、緑の中で。』は今回で終了し、また春にお目にかかります。「緑とともにあるライフスタイル」が少しでも皆さんの身近になりますように。[M]






