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Tokyo Midtown Award 2008 結果発表

Tokyo Midtown Award 2008 結果発表

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Tokyo Midtown Award 2008 アートコンペ結果発表

概要

テーマ JAPAN VALUE(新しい日本の価値・感性・才能)
審査員 五十嵐 威暢、神谷 幸江、清水 敏男、中山 ダイスケ、八谷 和彦
グランプリ(賞金100万円)───1点 ※該当なし
準グランプリ(賞金50万円)───1点
佳作(賞金30万円) ─── 2点
応募期間 2008年6月1日(日)~7月31日(木)

受賞作

該当作品なし

グランプリ(賞金100万円)

【受賞者】
該当者なし

【受賞作】
該当作品なし

陶磁器

準グランプリ(賞金50万円)

【受賞者】
桝本佳子(ますもとけいこ)
兵庫県出身、京都府在住

【受賞作】
陶磁器

桝本佳子

器物に施される装飾というのは、もちろん用途を無視しては成り立たないはずですが、使う為の「器」の形をしていながら、ただ飾る為だけのものが、あたりまえのように家庭の床の間や玄関といった生活空間にまで存在しています。その矛盾に対して、違和感と共に、日本人のおおらかさと、飾りに対する愛着を感じます。はたして器と呼べるのか不明な「器」を見て、共感と違和感を感じてもらえたら、と思います。

求愛しつづける時計

佳作(賞金30万円)
東京ミッドタウン・オーディエンス賞

【受賞者】
小松宏誠(こまつこうせい)
徳島県出身、東京都在住

【受賞作】
求愛しつづける時計

小松宏誠

都市における時間は未来と強く結びつく。未来についての現在は期待。クジャクは強い期待を抱き、ポジティブな進化を繰り返しつづけ、現代に至ったのではないだろうか?鳥独自の優れた飛行能力とひきかえに、豪華な装飾に身を包み、求愛するときも、外敵から身を守るときも、その羽を広げ、強く生き残っている。針がクジャクの羽に進化した時計360個が、求愛するかのように、いっせいに期待を刻みつづける。「JAPAN VALUE」は強い期待の繰り返しにより進化していくのだ。

ASIAN NOTE

佳作(賞金30万円)

【受賞者】
太湯雅晴(ふとゆまさはる)
岡山県出身、東京都在住

【受賞作】
ASIAN NOTE

太湯雅晴

現在、ほぼ全世界的に使用されるアメリカドル、ヨーロッパ圏ではユーロ、または中東・ペルシャ湾岸地域での使用が予定されている統一通貨という、国境を越えた貨幣を流通させることで、新たな境界線が形成されつつあります。しかし、アジアでは機軸となる通貨が存在しません。まとまりに欠くアジアという枠組みの中で、架空の新しい通貨を提案することで、アジアに於ける日本の立場を考えます。

審査員コメント

五十嵐威暢
五十嵐威暢(アーティスト/多摩美術大学客員教授)
アートを審査することはいつも難しい。限られた情報と時間の中で審査員も査定されているようなものだ。しかし、たくさんの応募作品、新しい才能との出会い、審査の過程での議論の沸騰、二次審査での作者とのやり取り、最終審査での賞の決定などを通して、この新しいアートコンペは、そのアイデンティティを確実に築き始めている。審査プロセスに於いて、若い才能を支援するという基本的な目標がたびたび確認されたが、今回は残念ながらグランプリ受賞作品は見当たらなかった。応募作品に総じて言えることは、コンセプトの明快さ、意図説明の簡潔さ、用意された展示スペース(場)に対するこだわりに一層の努力が求められていることだと思う。
神谷幸江
神谷幸江(広島市現代美術館 チーフキュレーター)
都市の活気ある場所に作品を展示する、そのエキサイティングな魅力ある機会に、初回ながらたくさんの応募があったことに、若いアーティストの皆さんの意欲的な関心が伝わってきました。今回のコンペを通じて感じた2つのことがあります。ひとつはもっとチャレンジングであってほしいこと。発表の機会を求めるだけで、既存の作品のプレゼンテーションに終わってしまうケースも多く見受けられました。なぜこの時、この場所で、この作品を作るのか。その問いをいつも自問してほしいと思います。もうひとつは自身の作品について語る言葉が薄いこと。制作技術だけでなく、作品の背景にあるコンセプトをしっかり打ち立て、表現者としての考えを伝えていくことの大切さと責任を改め考えてみてください。
清水敏男
清水敏男(東京ミッドタウンアートワークディレクター /学習院女子大学教授)
まず第一に、多くの若いアーティストが参加し、さまざまなコンペ案を提案したことを高く評価したい。今回は第1回であり方向性が見えにくかったと思うが、展示場所の特殊な条件にもかかわらず、多くの挑戦があったことを喜びたいと思う。実際、展示場所の条件は制約でもあるがさまざまなことが想定できる面白さもある。最終選考には漏れたが、コンピューターを用いた作品にも秀作があり、次回に期待したい。また絵画作品はこうしたコンペでは分が悪いが、展示方法とコンセプト次第では効果がだせると思うのでこれもまた次回を期待したい。全般的に言えることはコンセプトが弱いことであり、この場所に展示することの意味、与えられたテーマの意味をもっとよく考えてはどうかと思う。また作品の完成度を高めて欲しいと思う。今回はグランプリを選ばなかったが今後のさらなる展開を期待してのことである。
中山ダイスケ
中山ダイスケ(アーティスト/東北芸術工科大学教授)
本コンペの構造、つまり、テーマに対してアイデアをプレゼンし、制作費を得て、商業施設通路を往来する一般の人々に向けて作品を掲げる。まるで駅内広告です。この特色を見抜いている応募者がとても少なかったように思います。実社会に、ホワイトキューブ的空間はほとんどありません。そして観客も、ショーウインドウの前を忙しく通り過ぎる人々のように、それほどアート観賞に費やす時間はありません。広告と情報にあふれる街「東京」において、アートが街に飛び出す際に突きつけられる、残酷で、極めて重要な「真実」です。いつかここを制する人は「東京らしいアート」のありかたを指し示してくれる人なのでしょう。面白いコンペの誕生です。
八谷和彦
八谷和彦(メディア・アーティスト)
今回展示された三作品は、どれも主催者や審査委員の期待に応える良い作品になったと思います。ただし、非常に残念なことですが、今回は突出した印象を与える「これしかない」という作品には出会えませんでした。三作品とも「ここがこうだったら良いのに」といういわば弱点の部分があり、協議の結果(来年を期待して)、今年は「グランプリ該当なし」となりました。ただ、制作していただいた3人の作家はすでに充分な実力があり、また今後の飛躍が期待できる方ばかりだと思います。どうか皆様、3人の作家の作品を実物で見ていただき、できれば名前を憶えていただき、今後も注目していただければ、審査委員の一人としてこれに勝る悦びはありません。

審査風景

審査風景

総括

アートコンペは東京ミッドタウンの設計段階のコンセプトである「JAPAN VALUE (新しい日本の価値・感性・才能)」をテーマに公募し、6月1日からの2ヶ月間に国内各地、海外(英国、ドイツ、アメリカ、カナダ、韓国)から総計478 人(組)の応募(39歳以下)を集めました。さまざまなジャンルのユニークな作品アイデアから、8月初旬の第1次審査(書類)において「コンセプト」「場所性」「芸術性」「現実性」の4つを基準に、5人の審査員によって議論された結果6作品に絞られ、続いて9月2日の第2次審査(プレゼンテーションと模型審査)により3人の入選者が決定。その後、事前に制作補助金100万円が支給された各入選者は公開作成に入り、プラザB1メトロアベニューのガラスケースに作品が展示されました。10月20日の最終審査には再び審査員が集合し、審議の結果、「グランプリ」「準グランプリ」「佳作」が決定しました。ご応募いただきました全ての皆様にお礼申しあげます。

協力
TOSHIO SHIMIZU ART OFFICE(http://www.shimizuoffice.com/
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