2009年10月23日 更新
| テーマ | JAPAN VALUE(新しい日本の価値・感性・才能)~ガラスケースへの挑戦~ |
|---|---|
| 審査員 | 五十嵐 威暢、児島 やよい、清水 敏男、中山 ダイスケ、八谷 和彦 |
| 賞 |
グランプリ(賞金100万円) ─── 1点 準グランプリ(賞金50万円) ─── 1点 佳作(賞金30万円) ─── 2点 |
| 応募期間 | 2009年5月7日(木)~7月13日(月) |
グランプリ(賞金100万円)
【受賞者】
藤井 秀全 奈良県出身、在住
【受賞作】
Stain “Expanse”
【作品コメント】
光が空間や身体に浸透していく感覚を「光の染み」として表現している。光が画面上で広がり、混じり合いながら「染み」のように像を成し、それは画面を越え、形を失いながら、空間に浸透し、身体と接触する。そして光は身体にも浸透し、作品と空間、鑑賞者の境界は曖昧になる。「光の染み」が膨張、拡大し、鑑賞者や空間を取り込んだ光景を作り出す。その一瞬の体験が身体に「染み」として残る。
準グランプリ(賞金50万円)
【受賞者】
福本 歩 神奈川県出身、在住
【受賞作】
六本木未来骨董 フクモ陶器
【作品コメント】
フクモ陶器はいつも、ウソをついて人をだましたり世間にいやがらせをしてやりたいと思っています。そこで、あたかも世の中で役にたちそうな、いんちき道具を作って人に高く売りつけてやろうと考えました。それらは世の中でまったく役にたたないし、無駄で、邪魔で、いらないものです。

佳作(賞金30万円)
【受賞者】
山本 麻璃絵 東京都出身、在住
【受賞作】
自動販売機のある風景
【作品コメント】
日本はとても自動販売機の多い国です。海外から見れば一目瞭然な事ですが、慣れきってしまっている内側からではなかなか気付きにくいものです。今回の作品は、誰もが通り過ぎてきた景色の中の存在感の表現です。観られる以外に役割を持たない木彫によって、改めて自動販売機の大きさや存在感を感じてください。今までの景色がちょっと新鮮になってくれたらいいな、と思います。

佳作(賞金30万円)
【受賞者】
平田 創 千葉県出身、在住
【受賞作】
Funky Project 09 Japan Colors
【作品コメント】
ガラスケースの空間を「色彩」を創り出す「舞台」として演出します。日本の色のイメージをライブパフォーマンスで描き出し様々な色彩や形で日本の世界観を表現しました。
五十嵐 威暢 (アーティスト/多摩美術大学客員教授)

全体的に応募作品のレベルが上がったことは嬉しいことでした。テーマの捉え方も広がりを見せて、表現の質に深みが見られます。テクノロジーの罠にはまることなく、手仕事の面白さが受賞作品に多く見られることは収穫であると思います。審査のプロセスが専門誌で紹介されたことも良かったと思います。与えられた設置場所の特性に対して一段の工夫が求められますが、それは次回の楽しみにしたいと思います。
児島 やよい (フリーランス・キュレーター/ライター)

通路のガラスケースは、予想以上に難しいスペースだった。レベルの高い応募作品 が揃い、年齢やキャリア、表現方法にも幅があり、難しい審査となった。応募者の皆さんの思いとその可能性を、十分汲み取れるようにと苦心したが、コンセプトはよいものの実現性に疑問を感じる案が多く、惜しいと感じた。制作費をどう使うか、それから実際の展示でどんな設置施工や機材を使用するか、もっと練ってほしい。二次、三次に残った作品は甲乙つけ難いものがあり、審査員同士のディスカッションも白熱した。残念ながら今年残らなかった人も、次回以降ぜひ再挑戦してください。
清水 敏男 (東京ミッドタウンアートワークディレクター/学習院女子大学教授)

東京ミッドタウンアワードアートコンペは、2回目を迎えてますます充実してきた。このアートコンペの難しさは、作品と同時に展示の提案もすることにある。つまり場所と観客について考えることが求められる。展示は作品の意味の一部を構成し、作品のクオリティに関与する重要な要素である。今回は展示に成功した作品も現れたが、後一歩という作品が目についた。いかに作品をアピールするか、各作家にはもっと研究して欲しい。次回が楽しみである。
中山 ダイスケ (アーティスト/東北芸術工科大学教授)

あらためて、ガラスケースは手強いなあと感じました。それぞれの作家が、本当に普段のアート界であたりまえとされる表現手法を断ち切った所から立向わなければ、どんな小細工も、崇高なコンセプトも、この六本木の地下道では無力化されてしまいます。もしかすると、どっぷりとアーティストの方々ではなく、他ジャンルのクリエーターからの目線で提案がなされると、全体的にガラスケースを破ることのできるコンペになると思います。
八谷 和彦 (メディア・アーティスト)

昨年の第一回はグランプリ該当作なし、という残念な結果になったのだが、今年は最後までどちらをグランプリにするのか激論の審査会となった。藤井秀全さんの作品も、福本歩さんの作品も、いずれも独自の魅力のある作品で、正直グランプリ、準グランプリに(現在のところは)大差はないと思う。だから、藤井さんには「おめでとう」とエールを送りつつも、福本さんの今後にも大いに期待しています。もちろん、佳作の山本さん、平田さんにも。展示、ご苦労様でした。そして応募してくれてありがとう。






アートコンペは東京ミッドタウンの設計段階のコンセプトである「JAPAN VALUE(新しい日本の価値・感性・才能)~ガラスケースへの挑戦~」をテーマに作品を募集し、5月7日から7月13日の約2ヶ月間に海外を含む総計355名(組)からの応募がありました。(応募条件は39歳以下、かつ1名(組)1作品案まで) 様々なジャンルのユニークな作品から、「コンセプト」「通路ガラスケースの場所性」「 芸術性」「現実性」「独創性」5つを基準に5人の審査員が議論をした結果、一次審査、二次審査を経て4作品の入選者を選出しました。入選者には制作補助金100万円が支給され、10月13日(火)よりプラザB1Fメトロアベニューのガラスケース内にて作品の公開制作を実施。10月20日(火)の最終審査により各賞が決定しました。ご応募いただきました全ての皆様にお礼申しあげます。










