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2012年05月14日
上田義彦さんとの出会い。

こんばんは。





最近、デザインコンペの審査員、水野学さん著の「アウトプットのスイッチ(朝日新聞出版社)」を読破してからというもの、 学者さん×デザイナーさんという組み合わせに非常に興味津々です。




そんな中、先週土曜日に、アワード公式サイトでもご案内しているデザインコンペ審査員佐藤卓さんが手がける「縄文人展」で、まさに学者さんと佐藤さんがトークをされる、というので、上野にある国立科学博物館へ。


IMG_2181.JPG




美術館はしばしばいきますが、博物館は久しぶりです。



IMG_2179.JPG


クジラの彫刻?
天気は快晴。晴れているのに、風が冷たい日でした。




IMG_2169.JPG
※展覧会のエントランス。



本当は展覧会を見てからトークイベントへでかけるつもりでしたが、すっかり寝坊してしまい、トークから参加bearing



テーマは「博物学と写真」
写真家の上田義彦さん、美術史家の伊藤俊治さん、佐藤卓さんの対談形式です。



「写真」についてのトーク。
実はわたし、写真については(も?)、まったく芸術的視点が欠けていまして、有名な写真家の方の展覧会に行っても、 すごいのかも知れないけれど、何がすごいのかよくわからないことが多く(勿体ない。。)、 今回は、何か学べればという思いもありました。


上田義彦さん、というカメラマンさん。
人生で初めて名前をお伺いする写真家さん。


「上田さんは、あまり、こういうトークイベントには出演されない方で、今日は貴重な機会ですよ」と佐藤さん。



縄文人展の中では、現北海道や茨城県で発見された縄文時代の人体の骨の写真を上田さんが撮影されていますが、その写真が、 実際に並べられている本当の骨より、リアル。まるで生きている人と対面しているよう、というコメントがあり、どうしたらそんな写真がとれるのか。という問いかけが上田さんへ。


「写真は鏡です。自分が感じていることが写真にうつりこんでしまうんです。」(上田さん)


実際、撮影する際に、対象物が生きているような感覚で被写体に向き合うと、とられたものがまるで生きているかのようにうつる。


例えば、ポートレートでも、その人をモノと思って撮影した写真は、実際、人でもモノのようにうつってしまうし、好意をもって撮ったものは、好意も写真に写り込むってことのようです。なるほど。



普段なにげなくiphoneでカシャっとやっている写真は、やっぱり何気ない感じがでてしまうっとこと。



ほかにもたくさん興味深いお話がありましたが、上田さんの写真のお話がとても印象的でした。


さっそくお話をお伺いした後に、展示会場へ。


実際の作家さんのお話を聴いた後で作品をみると、鑑賞するほうが受け取ることができる感覚も、よりシャープになっていて、まじまじと何度も同じ写真をみてしまいました。美術館で一つの絵の前にすごい時間をかけて滞在する人の気持ちがすこし、、ほんの少しですが、、、わかった気がします。


ほんとうにそこに人が寝ているかのような、そんな感じに見えました。これってすごいことですよね。
トークなしでは、ただの写真に見えてしまったかも知れません。アートは説明するものではない、という方もいらっしゃるかもしれませんが、やっぱり説明があったほうが、受けとれるものがまったく異なってくるんだな、と実感しました。


IMG_2177.JPGのサムネール画像
上野の広大な公園。


IMG_2183.JPG



「縄文人展」は7月1日までです。是非。



Written by ルー