OUT OF CONTROL展|TOKYO MIDTOWN×ARS ELECTRONICA|東京ミッドタウン

EVENT REPORT

OUT OF CONTROL展

#02 OUT OF
CONTROL展

2017.10.13 (FRI) - 10.16 (MON)

時間 11:00~21:00
場所 ガレリアB1 アトリウム
主催 東京ミッドタウン
協力 アルスエレクトロニカ
参加クリエイター Paolo Cirio、やんツー+菅野創

OUT OF CONTROL展 レポート

東京ミッドタウンとアルスエレクトロニカの年間協働プロジェクト「未来の学校 powered by アルスエレクトロニカ」。今回レポートするのは「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2017」において開催した「OUT OF CONTROL」展です。「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2017」のテーマは「ふれる」。私たちは、デザインされた情報にどのように「ふれる」ことができるのでしょうか。「未来の学校」第2弾では、「Paolo Cirio」と「やんツー+菅野創」、2組のアーティストを招き、情報がデザインされることによってもたらされる意味について考え、アート作品を通じて情報に触れることができる「場」を作りました。

“SCHOOL OF THE FUTURE powered by Ars Electronica," a year-long collaborative project by Tokyo Midtown and Ars Electronica. In this report, we are going to tell you about the “OUT OF CONTROL” exhibition held at "Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2017." The theme of "Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2017" is “Touch.” How can we “touch” designed information? For the second round of “SCHOOL OF THE FUTURE,” we invited two teams of artists, one consisting of Paolo Cirio and the other of "yang02 + KANNO So", and created a place to enable people to think about the implications of designing information and to touch information through artworks.

インターネット以後の環境

近年よく耳にする言葉に「フェイクニュース」というものがあります。インターネットが当たり前になり、誰もがスマートフォンを使いながら生きている現在、私たちの受けとる情報はあまりにも増えすぎています。情報過多の現代であるからこそ、私たちはついつい、刺激的であったり、「こうだったらいいのにな」という願望が実現したかのようなニュースに飛びついてしまいます。忙しい毎日の中で正しい情報をきちんと選り分け、自分で考える習慣をつけることは、とても難しいことです。

質問を変えてみましょう。「未来の学校」第二弾のテーマはこうです。私たちは「デザインされた情報」にどう触れることができるのでしょうか。制御不能(アウト・オブ・コントロール)となった情報と、どう接していけばいいのでしょうか。

インターネット以後の環境

Street Ghosts

「Paolo Cirio」が今回手がけた作品は「Street Ghosts」です。東京ミッドタウンの会場には、実物大の人間のようなものがごく自然に設置されています。誰かが撮影した写真を印刷して、切り抜いているようです。では一体誰が撮影した写真なのでしょうか。

実は、Paoloが利用したのはGoogleストリートビューです。実際にGoogleストリートビューに記録されている人物を、撮影された場所と同じ場所に「展示」することで、Paoloは公共のスペースとプライバシーの境界線をあぶり出しています。まるで幽霊のような人物像は、まさに「デザインされた」情報の象徴です。Googleと、それを利用する私たち、そして自動的、機械的にデータを処理していくアルゴリズムのやり取りのなかで生まれる情報の象徴を、現実世界にもう一度「インストール」することで、私たちが普段どのようにインターネットの情報に触れているのか、そしてどう触れるべきなのかを鋭く問いかけます。

Street Ghosts

形骸化する言語

「やんツーと菅野創」の共同作品は、一見するとペンが自動的に文章を綴っているように見えるマシーンです。しかしその機械は、自分が今まさに書いている言語を「理解」しているわけでも「読めている」わけでもありません。「やんツーと菅野創」は、人工知能に文字を真似する機械学習システムを施しますが、人工知能が解析し学習するのは、あくまで文字の「形」です。人工知能にとっては、線の集合体でしかないのです。人間の手書きならではの癖を精密に分析し習得していく人工知能ですが、彼(女?)の書く言語は、まさに、形骸化した言語に他なりません。それでもなお、私たちはその文章から、必死で「意味」を、「感情」を読み取ろうとしてしまいます。

形骸化する言語

デザインされた情報に「ふれる」

「Street Ghosts」と「形骸化する言語」、どちらの作品も「作者」がゼロから作り上げた素材でできているわけではありません。アーティストたちが問いかけるのは、「デザインされた情報」もしくは「すでに誰かによって変形させられた情報」と、どう付き合っていくかです。「誰か」と書きましたが、Googleストリートビューや人工知能がまさにそうであるように、そこには明確な「意志」がない場合もあります。私たちがふれる情報は、自動的に、プログラム通りに、そして瞬時に、整理され、修正され、書き換えられ、デザインされている。そこでは人間が介入する余地がないかのようです。でも、こうした「制御不能(アウト・オブ・コントロール)」な情報にただ受動的に触れるしかないわけではありません。こうしたデザインされた情報を積極的に使い熟すことで、私たちの生活はより豊かに、より便利なものになっていることも事実です。溢れる情報の洪水のなか上手に泳ぎ、能動的に情報を取捨選択することで自ら「未来」をつくっていく。「OUT OF CONTROL」展には、そのためのヒントがたくさん散りばめられています。

デザインされた情報に「ふれる」

EVENT MOVIE

イベントの様子を動画でご覧いただけます。

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