テーマ | 「都市」 |
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審査員 | 児島 やよい、清水 敏男、土屋 公雄、中山 ダイスケ、八谷 和彦 |
賞 | グランプリ(賞金100万円)─── 1点 準グランプリ(賞金50万円)───1点 優秀賞(賞金10万円)─── 4点 ※グランプリ受賞者は、University of Hawaiiのアートプログラムに参加できます。 |
応募期間 | 2013年5月16日(木)~6月6日(木) |


グランプリ(賞金100万円)

【受賞者】
鈴木 一太郎 学生
岐阜県出身、愛知県在住
【受賞作】
単眼的風景:
Gruppo del Laocoonte


株式会社 テクノス、株式会社 美廣社、 有限会社 コマ工芸、 石岡辰男、 永野ルイ、 早川和明(Sow GLASS)

準グランプリ(賞金50万円)

【受賞者】
山上 渡 美術作家
高知県出身、長野県在住
【受賞作】
Tokyo Atlas

私は地図を見つめる。
私はその中に道を見つける。
すると当たり前だがすべての<道>は繋がっていることに気がつく。
そしてふと、それらがまるで私たちの持つ血管のようだと考え始める。
都市は人から人、時代から時代へと連綿と繋がりできあがってきました。
道も都市の成長とともに、より高度に、より複雑に増殖してきました。
私はこの都市を俯瞰し、<道>という存在に焦点をあてることで、
東京という巨大な生命体をあぶり出そうと考えます。


優秀賞(賞金10万円)

【受賞者】
赤嶺 智也 画家、イラストレーター
沖縄県出身、愛知県在住
【受賞作】
東京ドリーム

日本の中心、大都市「東京」。そこには、日本中から夢や希望、仕事を求めて色々な人達が集まる。夢を追う人、身動きがとれずにいる人、黙っている人、踊り狂う人、夢を叶えた人。それぞれの人にそれぞれの人生やドラマがある。大都会の大きな人の渦の中、埋もれ、もがき、それでも夢に生きる人々の様子を描く。


優秀賞(賞金10万円)

【受賞者】
スナックその アートユニット
大阪府にて活動開始、千葉県在住
【受賞作】
クレマアチス

都市で生きる人々は個人主義でありながらも強い協調性を合わせ持っている。都市を生き易い環境にする為に自らも演者として参加する傍ら、自分だけは消費されるのではなく活用したいという意識を持っている。都市の外縁になることに恐怖を覚え、実体の無い中心へ潜ろうと必死になっている。この代謝とは逆の活動が都市に熱を生じさせ、都市を生かしているのである。

制作協力:株式会社ナカダイ

優秀賞(賞金10万円)

【受賞者】
中里 洋介 アーティスト
神奈川県出身、千葉県在住
【受賞作】
TRANSFORM

都市のゴミの表面を空間に描き出した。 そのシルエットはまるで、アメーバの様な形を持たない生き物に見える。 そしてその生き物は「都市」そのものと重なってゆく。


優秀賞(賞金10万円)

【受賞者】
渡辺 元佳 アーティスト
北海道出身、東京都在住
【受賞作】
Corvus

コルウスは東京ミッドタウンの地下に住んでいるちょっと変わった大きなカラスです。
展示期間中は昼と夜、2つの違った表情を楽しんでいただけます。






今年度は、昨年に引き続き「都市」をテーマとし、東京ミッドタウンを代表するパブリックスペースであるプラザB1Fでの展示プランを応募条件とし、総計293作品の応募がありました(応募条件は39歳以下、かつ1名(組)1作品案まで)。その数は昨年を上回り、応募作品は、彫刻や平面作品のみならず、映像、インスタレーション等、幅広い分野にわたりました。なかでも平面作品は、昨年よりも応募数が倍増しました。これは今年度の大きな特徴であり、昨年に2点の平面作品が入選した影響がうかがえます。「コンセプト」「場所性」「芸術性」「現実性」「独創性」を審査基準として、一次審査で12作品を選出。二次審査ではそれぞれの作家が模型を使って公開プレゼンテーションを行い、計6点の入選作品を選出しました。通過者6名には制作補助金として100万円が支給され、2013年9月26日(木)より公開制作を実施。10月8日(火)の最終審査にて、グランプリ1作品、準グランプリ1作品、優秀賞4作品の各賞が決定しました。応募されるアーティストのレベルが高く、例年より審査に時間を要したことは、今年度の特筆すべき特徴です。また、公共性の高い商業スペースである「場」で作品をどう見せるか、という点においては、来年への期待を残す結果となりました。6名の受賞者には大きな拍手を送るとともに、今回ご応募いただきましたすべての皆様に、心より感謝申しあげます。
私には古代トロイアの神話と現代の日本の都市の姿が重なって見える。真実が何か分からないこと。便利さ・恐怖心から真実を知ろうとしないこと。空気を読んで発言をしないこと。私たちは、この神話から学ぶことがある。ラオコーンをそのためのモニュメントとしたい。しかし、そこに表れているのは現代の目線によって捉えられた体感がない空虚な彫刻であるという皮肉を、私を含めた現代人へのメッセージとする。