テーマ | 応募者が自由に設定 |
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審査員 | 川上 典李子、児島 やよい、清水 敏男、鈴木 康広、土屋 公雄、中山 ダイスケ、八谷 和彦 |
賞 | グランプリ(賞金100万円)─── 1点 準グランプリ(賞金50万円)───2点※ 優秀賞(賞金10万円)─── 3点※ ※グランプリ受賞者を、University of Hawai’iのアートプログラムに招聘します。 ※2016年は審査の結果、準グランプリが2点、優秀賞が3点に変更となりました。 |
応募期間 | 2016年5月12日(木)~6月2日(木) |


グランプリ(賞金100万円)

【受賞者】
後藤 宙 学生
東京都出身、在住
【受賞作】
意識の表象



準グランプリ(賞金50万円)

【受賞者】
大塚 功季 学生
佐賀県出身、愛知県在住
【受賞作】
Twistripe

都市全体から感じられる圧倒的なパワーは、植物が持つ躍動感や力強さと似ています。
それは東京という都市が、植物のように「成長」を続けているからです。
そして「工事中」の象徴であるトラロープから生み出された有機的なこの作品は、都市と植物、双方のイメージを併せ持ちます。
そこに、成長しようとする意志のようなものを感じてもらえたら、と思います。

制作協力:
株式会社 東宝映像美術 / 大信ガラス 株式会社

準グランプリ(賞金50万円)

【受賞者】
山口 正樹 美術家/彫刻家
千葉県出身、東京都在住
【受賞作】
波と椅子

存在や安定をイメージさせる椅子と、連続するエネルギーである波。この相反する2つのイメージが、1つの造形物として拮抗しつつバランスを保っている彫刻作品です。ガラスを使用することで、公共空間と作品の関係を透明にし、そのことがかえって人々に違和感を与えることでしょう。この作品は東京ミッドタウンという場所に、いつもと違う独特な空間が生み出されるように考案したものです。


優秀賞(賞金10万円)

【受賞者】
齋藤 詩織 学生
栃木県出身、山形県在住
【受賞作】
時を纏う

服は着ていた人の記憶や想いを詰めた抜け殻。そして人は服を纏って社会に所属し生活を送る。 実家に残っていた高校の制服を見た時にそれだけが当時のまま変わらずに存在し、自分だけが時を 刻んでいるように感じた。服に残る傷や汚れからは、過去の記憶を呼び私に大切な何かを訴えかけてくる。


優秀賞(賞金10万円)

【受賞者】
副島 しのぶ 学生
広島県出身、茨城県在住
【受賞作】
底なしの渇き

人々の行き交う場所に、まるで忘れ物のようにぽつんと置かれた紙袋。
道行く人の視線が向けられるその紙袋の中には一体なにがあるのか。
満たされた水、底に続く深い穴。
その不安定な風景に、あくなき欲望を垣間みる。


優秀賞(賞金10万円)

【受賞者】
FUKUPOLY 映像作家
群馬県出身、東京都在住
【受賞作】
稜威母

「稜威母」 とは日本の女神・イザナミの別称です。出雲の国の「いずも」の語源とも言われています。
枯れた盆栽から流体シミュレーションによって生成された「空気の彫刻」は、生と死、現実と虚構の中を曖昧に漂う「雲」のような作品です。








今年度は、「応募者が自由に設定」とのテーマで、東京ミッドタウンを代表するパブリックスペースであるプラザB1Fを舞台に、場所を活かしたサイトスペシフィックな作品を募集、総計243作品の応募がありました(応募条件は39歳以下、かつ1名(組)1作品案まで)。
審査員には、ジャーナリストの川上典李子氏とアーティストの鈴木康広氏の2名を新たに迎えた、7名体制で、「コンセプト」「場所性」「芸術性」「現実性」「独創性」の審査基準で審査が進められました。1次審査では12作品を選出、2次審査では、それぞれの作家が模型を使って公開プレゼンテーションを行い、計6点の入選作品を選出しました。2次審査通過者6名には制作補助金として100万円が支給され、2016年9月26日(月)より公開制作を実施。10月4日(火)の最終審査にて、グランプリ1作品、次いで、準グランプリは例年1作品のところ、今年は接戦ののち、満場一致で史上初の2作品が選出され、優秀賞3作品を合わせた各賞が決定しました。上位には、完成度が高く、公共性の高い商業スペースに存在感を発揮した作品が選出されました。
今年度の応募傾向としては、絵画が昨年を上回り、応募数を伸ばしました。また、応募者にテーマを自由に設定してもらい、作品提案をしていただきましたが、年々応募の質が高くなっており、特に今年は、公共空間においてのアートとは何か?、その問いにいかに向き合おうとしているか、がうかがえるコンペとなりました。
6名の受賞者には大きな拍手を送るとともに、今回ご応募いただきましたすべての皆様に、心より感謝申しあげます。
今回の作品「意識の表象」は、これまで制作をしてきた糸を使った彫刻作品シリーズの延長上にありながらも、絵画的な視点を持ち込んだものである。幾何学や黄金比、トラス構造などと対話してきたこれまでの制作から、自分の中に表象として浮かんできたものを、ドローイングによってすくい上げた。象徴的であり、視覚的な現象を纏った今作が、多くの人の目に言語外のメッセージを刻むことを願う。