2024/9/14(土)〜9/29(日)第4期成果展『白い紙に書かれた白い文字は見えないものとする。』
ソノアイダ♯TOKYO MIDTOWN AWARDでは、9月14日から9月29日まで第4期参加アーティストの柴田まお氏と牧野永美子氏による成果展を開催します。
- 開催期間
- 2024/9/14(土)〜9/29(日)
- 時間
- 12:00~19:00
- 休館日
- 月・火・祝日
- 参加アーティスト
- 柴田まお、牧野永美子
- クロージングトーク
- 9月26日(木)18:30〜20:00(予定)
<登壇者> 森靖、柴田まお、牧野永美子、藤元明、丹原健翔
ソノ アイダ#TOKYO MIDTOWN AWARD 第4期成果展『白い紙に書かれた白い文字は見えないものとする』では、2人の彫刻家、柴田まお氏・牧野永美子氏の本スタジオプログラムで生まれた新作シリーズを発表する。
大きく制作方法や制作メディウムの異なる2人は、スタジオ期間中に共通項として浮かび上がった、見える・見られる、見えない・見られないといった、鑑賞におけるマトリックスについて多くの議論を重ねた。視覚の素因数としての光について考え、その動きや時間の表現を蓄光塗料を用いて彫刻作品に内含する柴田氏のシリーズや、手という身体の一部を切り取るように表現し、その手からその"人なり"やひいては日常生活を想像することを喚起する牧野氏のシリーズ。どちらにおいても、作家と鑑賞者の関係(または役者と観客、ひいては情報の視覚的伝達を目的としたあらゆる種の関係)において、視覚的な情報から物事を鑑賞者に想像させるという行為と、対として、時には在るものと無いものの区別がつかなくなる"鑑賞"という行為が、どこか共犯関係的に見て取れる。本展タイトルの「〜ものとする」という、ルールや決め事のような言い回しは、ユーモラスにも、なにか鑑賞者と作家(または本展における柴田氏と牧野氏)の間でのその共犯関係を示唆するようである。(キュレーター 丹原健翔)

柴田まお(しばた・まお)
TOKYO MIDTOWN AWARD 2021 アートコンペ・優秀賞受賞者
コメント
日本橋中央での制作環境に少しずつ慣れてきたように感じています。これまでの作品シリーズから一歩引き、新たな表現を模索するために日々実験を重ねています。地域の歴史的背景や現在の環境を考慮しながら制作を進めています。また、自身のテーマである『見える・見えない』について再考する貴重な時間となっており、この一ヶ月半の滞在制作からどのような作品が生まれるのか、私自身も楽しみにしています。
プロフィール
1998年横浜生まれ。2022年多摩美術大学美術学部彫刻学科卒業。2024年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。現代で多様化する「人と人の繋がり」や、その中で生まれる「コミュニケーションの在り方」をテーマに、彫刻やインスタレーションを発表する。近年は、彫刻というフィジカルの表現を軸に、現代の情報化社会の象徴であるデジタルの表現を掛け合わせることで、現実(リアル)と虚像(フェイク)の境目を曖昧にしていく作品を制作する。主な展示に「極寒芸術祭Teshikaga」/極寒藝術伝染装置(北海道・弟子屈町)、「六甲ミーツ・アート芸術散歩
2023 beyond」/ 兵庫、「多層世界とリアリティのよりどころ」/ NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]、「RECONSIDER/ 考え直しなさい」/大阪 Marco gallery など。
<柴田氏制作風景写真>
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▲制作環境 -
▲鑑賞者から頂いたアンケートを元に、自身のアイデアに落とし込む。 -
▲白い紙に白いドローイングを行い、「見える・見えない」を探る。

牧野 永美子(まきの・えみこ)
Tokyo Midtown Award 2010 アートコンペ・準グランプリ受賞者
コメント
今回はいつもの作風から少し離れて「手」を主題にした作品の制作に取り掛かっています。ヒトの手はその手の持ち主が何者であるかを強く表していると思います。これまで作ってきた作品の中での手は大体が私自身の手に似た形になっていますが、日本橋での制作では会場にいらした方の手を撮影させていただき作品のモデルにしたいと考えています。実際に来場者の撮影をしてみるとやはりと思う以上に様々な手に出会えました。顔は映らないように撮影した写真を見返していて、その手がどんな人だったか思い出せます。
資料が集まってきてそろそろ描き始めてみるか、という段階で柴田さんが制作で切り取ったスタイロフォームの余り地を譲って貰いました。スタイロフォームを木材で四角く囲みそれを木枠としてキャンバスのように不織布を張ってみると、切り抜かれたシルエットが透けて人影のように見えたのです。自分では描かない線のシルエットが面白いと感じこれが今回の制作で大きく作品の方向性を決めてくれたと思います。
また展覧会の方向性については柴田さんがこのシルエットが透けて「見える」ドローイングを見て考えを進めてくれました。「見える」「見えない」について考えながら作品を作っている柴田さんの作品との「接点」が見えたと感じました。
プロフィール
2010年多摩美術大学工芸学科卒業。動物園で珍しい生き物を見ているとき、何となく自分と比べてしまうことはないでしょうか。それは他人と比較して自分が何者かを考えることに似ていると思います。
人間らしさとは何だろうという視点から動物を見つめ、似ているところと似ていないところを融合し、どちらともつかない生き物を作っています。
<牧野氏制作風景写真>
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▲柴田さんが切り抜いたスタイロフォームの余り地を貰い木材で囲んだものを木枠とし、布を張ってドローイングをしたもの切り出した形が透けてシルエットに。描いている手は初日の来場者。 -
▲何を作るかは現地で考えるとして、考えている間も手を動かしたいと思いまずは歓迎のハンドサインを彫る。 -
▲「知らない場所」という緊張感を紛らわせるために自宅のカーペットを敷いて作業場にホームを作る。
※画像はイメージです。掲載情報は予告なく変更になる場合がございます。
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