アートコンペ

アートコンペ

審査員

金澤 韻Kodama Kanazawa

  • 金澤 韻/ Kodama Kanazawa
  • 現代美術キュレーター

    東京芸術大学大学院美術研究科、英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート現代美術キュレーティングコース修了。熊本市現代美術館など公立美術館での12年の勤務を経て、2013年よりインディペンデント・キュレーターとして活動。近年の主な展覧会に「インター+プレイ」、「AKI INOMATA:シグニフィカント・アザネス」、「ウソから出た、まこと」、「毛利悠子:ただし抵抗はあるものとする」、「ラファエル・ローゼンダール:ジェネロシティ 寛容さの美学」(十和田市現代美術館、青森、2018~2022)、ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020(横浜)、杭州繊維芸術三年展(浙江美術館ほか、杭州、2019)、「Enfance」(パレ・ド・トーキョー、パリ、2018)など。現代美術オンラインイベントJP共同主宰。株式会社コダマシーン共同代表。

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前回に続き、2年目の審査に向けてわくわくしています。昨年は多様な分野からの斬新な提案が集まり、それぞれの作品が、異なる専門をもつ審査員によって熟考され、評価されました。今年も意欲的な作品提案を期待します。私自身もそれぞれの良さをしっかり受け止めていけるよう心の準備をしています。引き続き、作品はパブリックスペースでの展示を条件とし、通行人が気軽に楽しめる環境を提供します。みなさんのチャレンジをお待ちしています!

永山祐子Yuko Nagayama

  • 永山 祐子/Yuko Nagayama
  • 建築家

    1975年東京生まれ。1998年昭和女子大学生活美学科卒業。1998−2002年 青木淳建築計画事務所勤務。2002年永山祐子建築設計設立。2020年〜武蔵野美術大学客員教授。主な仕事、「LOUIS VUITTON 京都大丸店」、「丘のある家」、「豊島横尾館(美術館)」、「女神の森セントラルガーデン(小淵沢のホール・複合施設)」「ドバイ国際博覧会日本館」、「玉川髙島屋S・C 本館グランパティオ」、「JINS PARK」など。ロレアル賞奨励賞、JCDデザイン賞奨励賞(2005)、AR Awards(UK)優秀賞(2006)「丘のある家」、ARCHITECTURAL RECORD Award, Design Vanguard(2012)、JIA新人賞(2014)「豊島横尾館」、山梨県建築文化賞、JCD Design Award銀賞(2017)、東京建築賞優秀賞(2018)「女神の森セントラルガーデン」、照明学会照明デザイン賞最優秀賞(2021)「玉川髙島屋S・C 本館グランパティオ」、World Architecture Festival(2022)Highly Commended「JINS PARK」など。 現在、東急歌舞伎町タワー(2023)、2025年大阪・関西万博、パナソニックグループパビリオン「ノモの国」、「Women’s Pavilion in collaboration with Cartier」、東京駅前常盤橋プロジェクト「TOKYO TORCH」などの計画が進行中。

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今回で4年目の審査となります。その間にCOVID-19があり、街に人がいなくなるという大きな出来事を経てアフターコロナ時代に入りました。さらに、戦争、災害と不安定な状況は続いています。私たちがこの時代に生きているという切実さを共有する大切な役割をアートは持っていると感じています。バーチャルではなくパブリックな実空間に置かれ、生身の私たちに訴えかけてくる作品を期待しています。審査過程の対話も含め楽しみにしています。

林 寿美Sumi Hayashi

  • 林 寿美/Sumi Hayashi
  • インディペンデント・キュレーター

    兵庫県神戸市生まれ。国際基督教大学教養学部卒業後、1989年よりDIC川村記念美術館に勤務。「なぜ、これがアートなの?」「ロバート・ライマン」「ゲルハルト・リヒター」「マーク・ロスコ」などの展覧会を企画。2012年に同館を退職後、ヨコハマトリエンナーレ(2014/2020)、「Robert Frank: Books and Films, 1947-2017」(デザイン・クリエイティブセンター神戸)、「トラベラー まだ見ぬ地を踏むために」(国立国際美術館)、モリムラ@ミュージアム(大阪・北加賀屋)ほか、内外の展覧会やプロジェクトに携わる。2019年には神戸のアート・プロジェクト「TRANS- 」のディレクターを務めた。美術評論家連盟会員。

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TOKYO MIDTOWN AWARDはアーティストに優しくも厳しい賞です。審査の過程では私たち審査員からさまざまなコメントやアドバイスを得て、ファイナリストに残れば六本木を行き交う多くの人々に作品を見てもらえるばかりか、受賞後も新作展示や海外交流の機会を得ることができます。一方で、美術館やギャラリーのホワイトキューブからはほど遠い商業施設での設営には困難が待ち受け、作品が展示されてもなかなか人目に留まらないという現実を突きつけられるかもしれません。でもそうした悲喜こもごもの経験こそが、アーティストとしての第一歩を踏み出すことなのです。

ヤノベケンジ Kenji Yanobe

  • ヤノベケンジ /Naoki Ishikawa
  • 現代美術作家/京都芸術大学教授/ウルトラファクトリー・ディレクター

    1990年代初頭より、「現代社会におけるサヴァイヴァル」をテーマに機能性を持つ大型機械彫刻を制作。ユーモラスな形態に社会的メッセージを込めた作品群は国内外から評価が高い。2017年、「船乗り猫」をモチーフにした、旅の守り神《SHIP’S CAT》シリーズを制作開始。2022年に開館した大阪中之島美術館のシンボルとして《SHIP’S CAT(Muse)》(2021)が恒久設置される。

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クリエイターは古来から何もない平原に新しい種を撒き続けるパイオニアの立場を担ってきました。大きな歴史の変革を迎えようとしている現在において、その役割はますます大きなものになっています。従来の価値観をダイナミックにひっくり返し、新たな歴史を刻む創造的才能を期待して待っております。

脇田 玲 Akira Wakita

  • 脇田 玲
  • アーティスト/慶應義塾大学教授

    目の前にありながらも知覚できない力を可視化/可聴化/物質化することで世界の見方を更新する作品をつくっている。主な展示に「Over Billions of Years」(モエレ沼公園 / 札幌国際芸術祭, 2024)、「アランとキースのために」(中村キース・ヘリング美術館 / Hokuto Art Program, 2022)、「脇田玲 - Photons」(清春芸術村 光の美術館, 2018)、音楽家 小室哲哉とのオーディオビジュアルインスタレーション(Ars Electronica Festival, 2016)およびライブ・パフォーマンス(MUTEK / RedBull Music Festival, 2017)、日産LEAFと一体化した映像作品「NEW SYNERGETICS - NISSAN LEAF X AKIRA WAKITA」(NISSAN CROSSING, 2017)などがある。慶應義塾大学 環境情報学部 教授。博士(政策・メディア)。

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人間はこの世界を理解するために様々な分類をしてきました。分類されたものをさらに細分化し、ラベリングをして、専門性を深めていきました。それによって色々なことが分かってきたようで、実は大事なことはほとんど分かっていない、そんな時代を私たちは生きているのではないでしょうか。アートはこれらのフレームを自由に横断し、ときには接続し、ときには破壊し、その営みを通して新しい価値や思想を開拓する力を持っています。このアワードに私が期待するのは、従来の枠組みや様式に縛られない作品や活動です。そして、果たしてこれはアートなのか?という議論を沸き起こす提案です。次世代の世界観はそのような営みの中から生まれてくると信じています。