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Tokyo Midtown Award 2015 結果発表

Tokyo Midtown Award 2015 結果発表

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Tokyo Midtown Award 2015 アートコンペ結果発表

概要

テーマ 応募者が自由に設定
審査員 児島 やよい、清水 敏男、土屋 公雄、中山 ダイスケ、八谷 和彦
グランプリ(賞金100万円)─── 1点
準グランプリ(賞金50万円)───1点
優秀賞(賞金10万円)─── 4点
※グランプリ受賞者を、University of Hawai’iのアートプログラムに招聘します。
応募期間 2015年5月1日(金)~5月21日(木)

受賞作

五金超大国Ⅱ

グランプリ(賞金100万円)

【受賞者】
田島 大介 アーティスト
奈良県出身、愛知県在住

【受賞作】
五金超大国Ⅱ

田島 大介

自分自身の居場所や存在意義を見失ったとき、孤独や不安を満たしてくれる自分だけの世界に閉じこもりたいと願いました。この作品は憧れや切望するものだけに囲まれた自分の心の居場所であり、自分が信じることができる世界の姿です。

東京的遭遇: 六本木

準グランプリ(賞金50万円)

【受賞者】
上坂 直 学生
富山県出身、東京都在住

【受賞作】
東京的遭遇: 六本木

上坂 直

地下から地上へ繫がる出口。 そして、出口に切り取られた地上の風景との断片的な出会い。

莫大な地下空間を移動できるようになった我々にとって、それはどこか不安を伴うような、都市的かつ東京的な入口だ。ロッカーという画一的な佇まいと不明瞭な空間性をもつアイテムを都市への扉とし、様々なものが断片的には垣間見えながらもその内側の不明瞭さが増大し続ける、そんな現代における大都市「東京」の在り方への違和感を込めたい。

デッドパン

優秀賞(賞金10万円)

【受賞者】
阿部 岳史 アーティスト
東京都出身、在住

【受賞作】
DEADPAN

阿部 岳史

普段意識しない「死」の状態を再現することがテーマです。
普段生活している多くの人にとって「死」とはあまり意識上に上がってこないと思います。

「割といつも近くにいるよ。」と言わんばかりに無表情で見つめている「死」。
時折、存在を思い出し、恐怖ではなく静かな畏敬を感じる「死」。
「生」が溢れているこの場所で、ひっそりと佇む、淡い「死」を目にすることは、人生の中の死の存在そのものように感じます。

グランドライン 制作協力:
On y va!/株式会社カードローナホールディングス

優秀賞(賞金10万円)

【受賞者】
尾花 賢一 美術作家
群馬県出身、千葉県在住

【受賞作】
グランドライン

尾花 賢一

正体不明の覆面を被った人達。彼らは扉の前で行列をつくる。この先には何があるのか、なんのために並んでいるのか。明確な答えは分からないけれど、想像すると幾つものドラマが生まれてくる。
点在する情報を集めて、繰り広げられる物語を考えるのはあなた自身。それはあなたが作り上げたもの。作品を前にして、あなたとわたしの物語を一緒に語り合おう。きっとそこには新たな出会いと、多様な価値を受容する美しい未来への第一歩が生まれるのだから。

Ebb 制作協力:
株式会社 牧口商店/株式会社 モノグラフ

優秀賞(賞金10万円)

【受賞者】
風間 天心 美術家/僧侶
北海道出身、在住

【受賞作】
Ebb

風間 天心 ©Lukasz Gasiorowski

各家へお参りに行くと、床の間には多くの文化が同居していることに驚きます。特に「水引」という文化に、仏教や神道といった「信仰」ではない日本独自の「こころ」を感じました。日本は現在、社会的にも物理的にも大きな波の危険に晒されていますが、どんな波に飲まれても文化は形を変えて残ります。中国の文化を日本流にアレンジした水引ですが、それを再度アレンジし、信仰に依存しない「新たな形の祭壇」を残そうとしています。

未確認生命体
協賛:横浜風船株式会社

優秀賞(賞金10万円)

【受賞者】
三上 俊希 学生
静岡県出身、愛知県在住

【受賞作】
未確認生命体

三上 俊希

突如出現した何かが鼓動を始めた。産み落とされたのか、異次元から現れたのかはわからない。
それは今にも内部から何かが飛び出してきそうだ。何かはわからないが中に生命体がいるのは確かだ。

審査員コメント

児島 やよい
児島 やよい (フリーランス・キュレーター/ライター/慶応義塾大学、明治学院大学非常勤講師)
表現メディアの多様さが、それぞれの個性を反映して、おもしろい6作品が残った。場所性を取り込み、テーマにも展示にも生かしている作品が、やはり特筆に値する。そして、意識的にしろ無意識の表出にしろ、今の時代を色濃く映した作品が揃ったのは興味深い。それもアーティストの力であると改めて感じた。グランプリ、準グランプリの二人は若く、今後の活動をしっかり見ていきたい。他の入賞者も実力は高く、このアワードを機にますます活躍されることと思う。
清水 敏男
清水 敏男 (東京ミッドタウン・アートワークディレクター/学習院女子大学教授)
作品の質が向上したことを実感し、回数を重ねるということの効果がよく現れた審査だった。メディアも多岐にわたり、それぞれ完成度が高い。最終審査に残った作家は今後の活躍を大いに期待したい。しかしあえて注文するとしたらもっと型破りでもよかった、ということである。最終作品では審査員を驚かすほどの跳躍が期待される。自分のコンセプト、表現をぶれることなくとことん追求して欲しい。どこまで追求できるかが作家の度量、今後の活躍の可能性を示唆する。
土屋 公雄
土屋 公雄 (彫刻家/愛知県立芸術大学教授/武蔵野美術大学客員教授)
最終選考を終えて改めて感じたことは、今回の受賞者それぞれが、実に真摯に「場」を考察し、商業施設が並ぶ特殊な環境と連続しながら作品を成立させているかということである。美術館やアートギャラリーとも異なる多目的空間に、アートを表現することは至難のわざである。受賞された個々の作品と対峙するとき、それら作品に内在する「都市」や「人間」、また「現代」への問いかけが複雑に絡み合い表現された作品はアートの醍醐味であり、多くのギャラリーにこの魅力を味わっていただきたい。
中山 ダイスケ
中山 ダイスケ (アーティスト/アートディレクター/東北芸術工科大学グラフィックデザイン学科教授)
公共商業施設内での展示ということで、難しい安全基準などをクリアしながらも提示された皆さんの「展示」の完成度は、例年よりもとても高かったと感じます。ただ本来シンプルだったはずの作品の本質が、展示をこなすことによって薄らいだようにも見え、逆に「表現」の完成度が凡庸になった方も多かったように感じます。そんな中、実展示を見て期待よりも評価が上回ったのは田島大介さんの細密画です。心象風景として描かれたありえない数のビル群は強く、そして周囲の音をかき消すほどに静かでした。
八谷 和彦
八谷 和彦 (メディア・アーティスト/東京藝術大学先端芸術表現科准教授)
今回のアワードでは完成度の高い作品が揃ったと感じる。実際、グランプリを決めるための最終審査では審査委員の間で票が割れた。この激戦を制した田島さんの空想上のビルを細密描写し、鳥瞰する作品には、ずいぶん長い時間目を楽しませてもらった。一方、このアワードも8年目を迎え、展示される作品に、やや定番感が出てきたようにも感じていたが、公共空間の中に唐突にロッカーを置き、そのなかに地下鉄出口があるという入れ子構造の作品で挑戦してきた準グランプリの上坂さんの作品にはセンスを感じた。この作品もグランプリ同様に評価したいと思う。

審査風景

審査風景

総括

今年度は、昨年に引き続き、共通のテーマを設けずに、東京ミッドタウンを代表するパブリックスペースであるプラザB1Fを舞台に、場所を活かしたサイトスペシフィックな作品を募集、総計250作品の応募がありました(応募条件は39歳以下、かつ1名(組)1作品案まで)。

審査基準は、「コンセプト」「場所性」「芸術性」「現実性」「独創性」として、1次審査で12作品を選出。2次審査ではそれぞれの作家が模型を使って公開プレゼンテーションを行い、計6点の入選作品を選出しました。昨年度テキスタイル作品がはじめて入賞したこともあり、テキスタイルの応募が増加したのは今年度の特徴です。通過者6名には制作補助金として100万円が支給され、2015年9月17日(木)より公開制作を実施。9月28日(月)の最終審査にて、グランプリ1作品、準グランプリ1作品、優秀賞4作品の各賞が決定しました。

今年度は、昨年に引き続き、応募者にテーマから設定してもらい、作品提案をしていただきましたが、年々応募の質が高くなっており、本コンペをより理解して応募してこられる方が多いことが伺えました。また、昨年以上に完成度が高く、公共性の高い商業スペースである「場」を取り込んだ作品が多かったのは今年度の特徴です。6名の受賞者には大きな拍手を送るとともに、今回ご応募いただきましたすべての皆様に、心より感謝申しあげます。

協力
TOSHIO SHIMIZU ART OFFICE(http://www.shimizuoffice.com/
後援
University of Hawaii at Manoa / Department of Art and Art History(http://www.uhm.hawaii.edu/
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