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Tokyo Midtown Award 2015 結果発表

Tokyo Midtown Award 2015 結果発表

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Tokyo Midtown Award 2015 デザインコンペ結果発表

概要

テーマ 「おもてなし」
審査員 小山 薫堂、佐藤 卓、柴田 文江、原 研哉、水野 学
グランプリ(賞金100万円)─── 1点
準グランプリ(賞金50万円) ─── 1点
優秀賞(賞金30万円)─── 1点
審査員特別賞(賞金5万円)─── 5点
※グランプリ受賞者を、世界最大規模の家具見本市「ミラノサローネ」開催中に、イタリア・ミラノへご招待します。(グループの場合は2名まで)
応募期間 2015年6月26日(金)~7月27日(月)

受賞作

ことはね

グランプリ(賞金100万円)

【受賞者】
吉田 貴紀/大阪府出身
栗原 里菜/埼玉県出身

【受賞作】
ことはね

吉田 貴紀/栗原 里菜

国旗模様の羽は「私はこの国の言語を話せます」という表明。胸元や帽子にファッション感覚で身につければ、日本へ訪れた外国人観光客に向けて、さりげなく手助けの意思を伝えることができます。知らない土地を旅する人にとって、母国の国旗模様は、ほっとする目印になるのではないでしょうか。言葉の壁をふわりと飛び越え、世界中の人に日本を楽しんでほしい。そんな気持ちを「身にまとうおもてなし」として表現しました。

浮世絵プチプチ

準グランプリ(賞金50万円)

【受賞者】
でんでんたますこ
清水 覚/東京都出身
山根 準/島根県出身
菅原 竜介/東京都出身
上久保 誉裕/茨城県出身

【受賞作】
浮世絵プチプチ

清水 覚/山根 準/菅原 竜介/上久保 誉裕

浮世絵の印刷されたプチプチです。贈り物を保護する目的で使用されるプチプチですが、浮世絵を描くことで、荷物を受け取った時のサプライズが加わるようにしました。20世紀初頭、日本人は浮世絵の刷り損じを緩衝材として、陶磁器を輸出し、ヨーロッパ人を驚かせていたと言います。その驚きを現代に蘇らせました。

落雁ポーション

優秀賞(賞金30万円)

【受賞者】
小川 貴之/東京都出身
山本 絵理香/千葉県出身
市川 直人/東京都出身

【受賞作】
落雁ポーション

小川 貴之/山本 絵理香/市川 直人

落雁を象ったガムシロップとミルクのセット。
ガムシロップとミルクは常にコーヒーの横に添えられるものの、これまでその形状は常に一定で、変わることがありませんでした。そこで、花などの四季の形を纏い、季節毎にその形を変える日本ならではの干菓子「落雁」に着目。
これら2つを組み合わせることで、見た目にもおいしい、新しいおもてなしをつくりました。

審査員特別賞

ねこ寿司

小山薫堂賞(賞金5万円)

【受賞者】
小川 貴之/東京都出身
山本 絵理香/千葉県出身
市川 直人/東京都出身

【受賞作】
ねこ寿司

小川 貴之/山本 絵理香/市川 直人

ねこがそこに収まることでお寿司ができあがる、ねこ用のベッド。あなたの愛するねこへのおもてなしが、あなたの目にも美味しいおもてなしになります。囲われた場所へ好んで入ってくるという、ねこの持つ習性に着目。気づいた時にはいつもそこに、握りたてのねこの軍艦巻きができあがっているでしょう。

はしおきガム

佐藤卓賞(賞金5万円)

【受賞者】
竹尾 太一郎/徳島県出身
竹尾 梓/新潟県出身

【受賞作】
はしおきガム

竹尾 太一郎/竹尾 梓

焼肉屋などでは、サービスとして食後にエチケットガムを手渡されることがあります。しかし、店側から口臭対策を促されるのは妙にナンセンス。食事と共に1つのおもてなしとしてガムを提供するには、はじめから風景の中にこっそりあった方が自然だと思いました。

日本古紋様写飾紙 原資料:
佐賀県立九州陶磁文化館所蔵 色絵蔓薔薇文皿

柴田文江賞(賞金5万円)

【受賞者】
橋本 真実/和歌山県出身

【受賞作】
日本古紋様写飾紙

橋本 真実

私にとってレースペーパーを敷いていることは少し特別な感じがあり、うれしい気分にさせてくれます。今までのレースペーパー以上に特別感のある柄をと思い古い時代の名工作などのお皿を紋様として採用しました。それはそのような器は使うことはおろか実際触れることすら難しく特別そのものだと思ったからです。それらをこの作品で再構成することのより、実際に手にふれ特別感や日本の文化を味わってもらえればと思います。

充電ざぶとん

原研哉賞(賞金5万円)

【受賞者】
ビアデザイン
遠藤 生萌/静岡県出身
池ヶ谷 優子/福井県出身

【受賞作】
充電ざぶとん

遠藤 生萌/池ヶ谷 優子

おもてなしとは、お客様を迎え入れ安らげる空間をつくること。
足を運んでくれた、お客様とその相棒に疲れを忘れてもらいましょう。
置くだけでさりげなく充電してくれるのが、このざぶとんのいいところ。
お客様もその相棒も、きっと喜んでくれます。

縦書きレシート

水野学賞(5万円)

【受賞者】
吉田 茉莉/北海道出身

【受賞作】
縦書きレシート

吉田 茉莉

一般的な「横書き」のレシートを「縦書き」にすることで、日本独特の「おもてなし精神」を表現しました。
透かしてみると「ありがとうございました」という文字も見えます。
さりげなさこそが日本人らしさであり、本当の「おもてなし精神」ではないでしょうか。

審査員コメント

小山 薫堂
小山 薫堂(放送作家/東北芸術工科大学教授)
今年の審査は例年に比べて簡単だったように個人的には感じられた。というのも、「おもてなし」というテーマに対する応募者の回答(作品)が比較的似通っていたからだ。誰もが思いつくもの(同じ傾向のもの)はバッサリと切り捨て、個性あるものを残していくという作業を最初に行った。
これだけ多くの応募作品が集まるコンペティションでは、理屈っぽいものは選ばれにくい。メッセージしたいことが明確でシンプル、そして何より潔いデザインに票が集まったのではないだろうか。
時節柄、今回の審査で例年以上に時間を費やしたのが「類似作品チェック」だった点が最も印象的だった。デザインの解釈って難しいですね。
佐藤 卓
佐藤 卓(グラフィックデザイナー )
東京オリンピック招致の時のプレゼンテーションで、日本の「おもてなし」という言葉が改めて注目されました。しかし、そもそも日本の「おもてなし」は、気づかれないくらいさり気なくするものでしょう。いかにも持て成していることを相手に分かるようにするのは、日本人としていかがなものかと思います。心地よい「おもてなし」は、相手への気遣いがあって初めて成立するデリケートな感覚です。やり過ぎはおせっかいですし、やり足りないのであればいっその事やらないでほしいと思うものです。やるなら気づかれないくらいさり気なく。中途半端ならやらない。現代、自分中心のワガママな世の中で、自分を押し殺して相手を優先することができるのかどうかが、この言葉で問われているように思います。「おもてなし」の感覚は、考えてみるとこのように現代社会の大きな問題とも繋がっているいいテーマなのです。それでも、Tokyo Midtown Awardは、そんな難しいことはさておいて、面白い提案に出会える楽しい場でもあります。今年も、とてもユニークな提案が賞を獲りました。いつものように今後、少しでも商品化されることを願っています。
柴田 文江
柴田 文江(プロダクトデザイナー/武蔵野美術大学教授)
デザインには色々な機能があります。中でも人をもてなすというのは、デザインの得意なことのひとつ。誰かのためによりわかり易く、使い易く、ここちよくなるようにと考える、そういうことが得意です。デザインによって新しいコミュニケーションが生まれる時、言葉では伝わらない暖かなものが届けられ、それまでの日常とは違う景色がみられるかもしれません。ひとつのモノ、ひとつのデザインから生まれるそういう新しい未来にデザインが役立つことを願いつつ、審査に取組みました。そしてその力を秘めた、いくつかの提案に巡りあえた審査会だったと感じました。
原 研哉
原 研哉(グラフィックデザイナー/武蔵野美術大学教授)
「おもてなし」という言葉については、いつも微妙な印象を抱いている。「お」は不要、「もてなし」で十分、と思ってしまう。ただし、Tokyo Midtown Awardの場合は「お」が入ってしっくりおさまる。多少のユーモアというか「なんちゃって」のエッセンスが少し混入しているのがこの賞である。だから、Tokyo Midtown Awardの「おもてなし」というテーマは「なんちゃって、もてなし」大賞というニュアンスを多少とも含むのだろうなぁと思いつつ審査をした。
そういうやわらかさのある作品が選ばれたと思う。
水野 学
水野 学(クリエイティブディレクター/慶応義塾大学特別招聘准教授)
かつて、大航海時代に世界が激変した後に、ルネサンスがイタリアを中心に興った。
時を同じくして、日本でも安土桃山文化が興り、多くの美術工芸品がこの世に産み落とされた。これは、単なる偶然では無い。この小さな惑星の、小さな世界は、「うねり」が支配しているのだと思う。時代が文化を作るのか、文化が時代を作るのか。何れにせよ、時代と文化は密接な関係にあり、その組み合わせは螺旋の如く絡み合って、人々をうねりの中へと引きずり込む。こうして、いつの時代も文化は、その時代に生きる多くの人を魅了し、飜弄し続けて来たのである。今、世界は再び文化のうねりを見せ始めている。本アワードもまた、そのうねりを生み出す、小さな小さな一つの因子なのだと思う。この小さな小さなうねりが、やがて多くの人を巻き込み、巻き込まれた人々が一人でも多く幸せになるようなデザインが育つことを願う。

審査風景

審査風景

総括

デザインコンペは、「おもてなし」をテーマに作品を募集し、1,316作品の応募がありました。

審査会では「デザイン力」「提案(プレゼンテーション)力」、「テーマの理解力」、「消費者ニーズの理解力」、「商品化の可能性」を基準に、5人の審査員が応募シート(プレゼンテーションシート)を審査。1次審査で入賞候補の選出を行い、2次審査で論議を重ね、「グランプリ」1作品、「準グランプリ」1作品、「優秀賞」1作品、審査員各自が選んだ「審査員特別賞」を5作品、計8作品を選出しました。

今年の応募作品を振り返ると、例年と比較して食事に関する提案(箸置き、湯のみ、マグカップ、コースター等)を多くいただきました。「おもてなし」と食が密接に関わっていることの表れかと思います。

こうした中でグランプリとなった作品は、おもてなしの気持ちをさりげなく伝えることができる優れたコミュニケーションアイテムとして審査員の評価を集めました。おもてなしが、サービスの押しつけや気持ちの負担になってはならず、もてなす本人の姿勢こそを問う行為だとするならば、まさに相応しい提案といえるでしょう。

これまでと同様に、入賞作品については、商品化・実現化の可能性を探っていきます。
主催者としては、日本の文化、伝統的な技術や素材を活かした作品を、商品化サポートを通じて、日本だけではなく海外にも発信していきたいと考えております。

最後になりましたが、ご応募いただいた全ての皆さま、今回はチャレンジしてくださり、ありがとうございました。

HP上の受賞作の作品写真は全て、受賞決定後に受賞者自身により制作いただいた模型を主催者が撮影したものです。審査の対象となったプレゼンシート内容とは異なります。各プレゼンシートは10月16日(金)~11月8日(日)の期間中展示スペースにてご覧いただけます。

協力
東京ミッドタウン・デザインハブ(http://www.designhub.jp/
株式会社JDN(http://www.japandesign.ne.jp/
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