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未来をひらく窓 —Gaudí Meets 3D Printing

未来をひらく窓—Gaudí Meets 3D Printing

主催 YKK AP株式会社

未来をひらく窓—Gaudí Meets 3D Printing

未来をひらく窓—Gaudí Meets 3D Printing

未来をひらく窓—Gaudí Meets 3D Printing

場所アイコン
アトリウム
日付アイコン
10/15 FRI - 11/3 WED
時計アイコン
11:00 - 21:00
料金
無料
主催
YKK AP 株式会社
特別協力
カサ・バトリョ、カサ・ミラ、カサ・ビセンス、グエル邸、
グエル公園ーバルセロナ市・バルセロナ市歴史博物館
後援
スペイン大使館

光ふり注ぐ吹き抜けのアトリウムに出現するのは、
最新の3Dプリンタによって形づくられた数々の「窓」。
建築家アントニ・ガウディの窓に学び、
自然環境と呼応するさまざまな機能や素材、造形をもった、
未来の窓のプロトタイプデザインをYKK APと鈴木啓太が提案します。
隈研吾、クライン・ダイサム・アーキテクツをはじめ、国や業種のジャンルを超え、
注目のクリエイターや専門家たちともコラボレーション。
デザインの進化の裏側には、技術の発展やクリエイターの豊かな創造力、
多くの共創者の情熱や努力があります。
未来のデザインの可能性は無限大です。
誰もが自由に理想の窓辺をデザインできる未来がくるとしたら、
あなたはどんな窓をデザインしますか?

Creator’s Message

近代化の名のもとに失われてしまった職人たちの手仕事や、人や空間にあわせたカスタマイゼーション。
3Dプリンタという最新技術を手にした今、それらが再び脚光を浴び、持続可能なこれからの暮らしに貢献できるはずです。
最先端の研究を行う他業種の企業やイノベーターとの対話を通して作られる、窓の未来にご期待ください。
鈴木啓太の写真

プロダクトデザイナー、クリエイティブディレクター。PRODUCT DESIGN CENTER代表。森林活用、都市環境、伝統工芸、3Dプリンティングなど幅広い分野に精通。美意識と機能性を融合させたデザインで、国内外でプランニングからエンジニアリングまでを手がける。2008年「TOKYO MIDTOWN AWARD」受賞者。

https://productdesigncenter.jp
山村健、ナタリア・サンツ・ラヴィーニャ、村上雅士の写真

学術監修:
山村健(東京工芸大学准教授)
空間デザイン:
山村健+ナタリア・サンツ・ラヴィーニャ(YSLA Architects)
グラフィックデザイン:
村上雅士(emuni)

デザインの裏話
Interview

未来をひらく窓—Gaudí Meets 3D Printing - Interview

スペインの巨匠、建築家アントニ・ガウディの窓に学び、現代の3Dプリンタ技術で未来の窓のプロトタイプを提案する『未来をひらく窓―Gaudí Meets3D Printing』。ガウディの造形だけでなくその仕事への姿勢にも着目し、クリエイティブディレクターとしてYKK APとともにプロジェクトをまとめたのはプロダクトデザイナー鈴木啓太氏。「TOKYO MIDTOWN AWARD」デザインコンペ受賞者でもある鈴木氏に、今回のクリエイションの「裏」について語ってもらいました。

巨大な光の束が差し込んでいた

プロジェクトは「ガウディがもしも現代の3Dプリンティング技術に出逢ったら、いったいどんな窓を創るだろう」という問いかけから始まりました。僕にとってガウディとの出会いは、スペイン、バルセロナのサグラダファミリアでした。「巨大な光の束が差し込んでいる」。それが、初めてガウディの建築に入った時の印象です。ガウディがつくったアパートなどにも行き、建物の内部まで複雑な曲線でできていて本当に驚きました。ずっと直線でできた空間で暮らしてきた僕にとって、あんなにも曲線だらけでできている世界は、まるで夢のなかのようでした。

ガウディは特徴的な色や形の建築が有名ですが、独創的な想像力だけでなく、リーダーシップに長けていた人物です。職人の子として生まれ育っていることも影響していると思いますが、職人たちにどんどんお題を出し、みんなでどんどんつくっていったことで、あの複雑なガウディの建築が出来上がっています。このプロジェクトでは、そうしたガウディの考え方、ものをつくっていく姿勢もオマージュしています。プロジェクトの中心にはYKK AP、クリエイティブディレクターに僕がいて、そこからさらに様々な業界、領域の方に声をかけてコラボレーションしながら窓にアプローチしていきました。

ガウディが導く、未来の空間

僕自身が窓と向き合うにあたって、まずは窓の歴史を紐解いていきました。窓はもともと建築の一部で、始まりはひとつの穴です。空間の光や風を調整する、いわばコントローラーの役割をもっています。他方で、とても象徴的なものでもあり芸術作品のモチーフになることも多く、ヨーロッパでは宗教的な意味を持つことも多々あります。非常にアイコニックで、文化や民族性など様々なものを包括している存在です。

そんな窓は20世紀になり建築を離れ、プロダクトの一部になっていきました。20世紀は大きな歴史の流れのなかではちょっと特殊な100年間で、モノをひたすら製造した時代。時をへて今はみんなが、大量生産・大量消費に疑問を抱き、「建築もプロダクトも何を目指していくべきか?」と立ち止まって考えています。窓も、プロダクトとしてひとつの完成形を迎えているといえます。現代の四角い窓だけが、窓ではありません。「これからの窓」や「未来の窓」を考えた時、一つとして同じものがないガウディの有機的なフォルム、またそれぞれの環境や風土に根ざし自然と人をつなげる機能は大きなヒントになります。例えば今はコロナ禍で、窓は換気や快適な空間設計という面からも見直されています。今回改めて、窓とは何だろう?とその歴史から紐解き考えた時、僕にとっての窓の概念も変わっていきました。万国・万人が使っている窓をリデザインするという試み。さらに美しく進化させた新しい機能、新しいデザインと、新しいものづくりが集合した「窓」をぜひ見てほしいです。

デザインの裏には人がいる

今回はプロダクトデザイナーである僕が、もう一度「人の手によって窓を自由に楽しむ」試みであったと思っています。ものづくりはすごい勢いで進化していて、3Dプリンティング技術は今、プラスティックだけでなく様々な素材を扱うことができます。並行して、ものづくりは大量生産から、少量・中量生産へと移行していくでしょう。時代や人の思考の流れを汲みつつ、また最先端のものづくりの技術、素材、機能を組み合わせていく。そうしたプロセスを通して、未来の窓のさまざまなプロトタイプを提案しています。これからのデザイン、ひいてはこれからの豊かな暮らしを考える手がかりを、自分なりに散りばめてみました。

また、「裏」という意味では「デザインの裏」にいる「人」にも着目しています。クリエイションという表を支えているのは、常に「人」。今回は日本を代表する企業や、新鋭のベンチャー、また工芸職人の皆さんに参加してもらい、今までにないコラボレーションを実現させました。また隈研吾さんや藤本壮介さんをはじめとする建築家の皆さんと対談したインタビューを通し、窓に対する多角的な視点をお届けしたいと思っています。そのほか「表」と「裏」を表現した展示会場の構成や、オフラインとオンラインそれぞれで楽しめるコンテンツなど、二面性を堪能してもらえれば嬉しいですね。

時代やジャンルを超え、革新は生まれる

ガウディが生きた時代、スペインのカタルーニャ地方は転換期を迎えていて、社会が大きく変わっていくタイミングでした。社会が不安定になる時、自然の中にある普遍的なものに強いよりどころを見出す気持ちは、現代の私たちにも共通しています。コロナ禍の今も、求められているのは大きな転換。僕自身も自然に対する理解が深まり、暮らし全般を見直していくタイミングで、窓について考えを巡らせることができたのは大きな収穫でした。社会の構造が変わってしまうような転換期には、もうこれまでのアップデートではなく、まるごと「リデザイン」する必要がある。過去はすばらしいアーカイブの宝庫で、振り返ることが発見につながります。ガウディのように長く時間を経ても今に残っているものには、唯一無二の強さがありますから。

また、もの作りの方法も変化してきています。クリエイター個人の力だけでデザインを生み出す時代は、ひと段落したのではないでしょうか。僕自身この数年は、様々な知見を持つ様々なジャンルのプロたちと、ともにつくり上げることの魅力と可能性を強く感じてきました。

日本だけでなく海外にも、たくさんの素晴らしい知恵や技術があります。しかし、まだそれらが十分に混ざり合ってはいません。かつて偉大な文化や文明がそうして発展を遂げたように、多様な価値観が混ざり合うことでイノベーションは生まれていくはず。色や形などの表面的なことだけでなく、誰とどのようなプロジェクトを組めば、長く人の生活を豊かにできるのか。今はそこに面白さを感じています。より五感に寄り添い、時には刺激するようなデザインを手掛けていけたら嬉しいですね。

個人的には、TOKYO MIDTOWN AWARDの出身者でもあるので、初めてクリエイティブディレクターとしてミッドタウンを舞台で取り組むこのプロジェクト。いい展示にするので、是非ご覧頂ければと思います。

鈴木さんにとって「デザイン」って何ですか?

鈴木さんにとって「デザイン」って何ですか?

「ひとことでは言えない、さまざまな可能性を持つもの」。僕が生きているたかだか40年ほどでも、世の中の価値観は絶えず変わり続けています。デザインとは価値観を形にすることも問題解決の糸口をつくることもできます。環境問題なども、デザインがもっともっとできることがあるのではないでしょうか。ただ、デザインにはとても可能性がありますが万能ではない。だからこそ、今回のような領域や専門を超えた共創プロジェクトを進めて、議論を進めていくべきだと思っています。

参加クリエイターが語る
Interview Movie

出展作品の見どころ篇

未来をひらく窓—Gaudí Meets 3D Printing

これからのデザイン篇

未来をひらく窓—Gaudí Meets 3D Printing

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