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DESIGN TOUCH

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ウラファベット

ウラファベット

大日本タイポ組合

ウラファベット

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ミッドタウン・ガーデン
日付アイコン
10/15 FRI - 11/3 WED
時計アイコン
11:00 - 21:00

※ 荒天中止

料金
無料
主催
東京ミッドタウン

ミッドタウン・ガーデンの木々の合間に、カラフルでちょっと不思議な3枚のフラッグが出現します。
表側に描かれているイラストをよく見ると、何かが隠れていることに気がつくかもしれません。
裏側に回って見てみると、そこにアルファベットが隠されていることがわかります。
再び表側のイラストを見て、文字を探してみてください。
裏側にあった文字が表側のどの部分になっているか、かたちの面白さを感じながら、
見つけた瞬間の「ひらめき」を体験してください。

Creator’s Message

文字を題材として28年間にわたり作品を作り続けています。
デザインをするときには必ず題材を一方向だけではなく、いろいろな角度や視点で多義的に捉え、想像力を働かせ、新たな発見を探ることを心がけています。
最終的にできあがったかたちはたったひとつですが、そこに至るには数々の試行錯誤が「デザインの裏」として存在しています。
秀親と塚田哲也の似顔字

1993年、秀親と塚田哲也で結成。日本語やアルファベットなどの文字を解体し、組合せ、再構築することによって、新しい文字の概念を探る、実験的タイポグラフィ集団。ロンドン、東京での個展、バルセロナや東京での企画展に参加。作品集『TYPE CARD PLAYBOOK』(2003)、『もじかけえほん かな?』(2020)。

https://dainippon.type.org/

デザインの裏話
Interview

ウラファベット - Interview

ミッドタウン・ガーデンの木々の間にはためく、カラフルなイラスト作品は大日本タイポ組合による『ウラファベット』。大日本タイポ組合は、美大の同級生だった秀親(ひでちか)氏と塚田哲也氏による93年から続くユニット。文字を解体し、組み合わせ、再構築することで新しい文字の概念を探り続けています。制作の舞台裏をあまり語りたがらない2人の、思考やデザインプロセスをその掛け合いから探ります。

裏を見せるのは、恥ずかしい

秀親:「デザインの裏」というテーマに対して、まず2人で「裏」って何だろう?って考え始めるわけです。普段から僕らは文字をひっくり返したり、回したり、色々な視点で見るようにしています。「裏」については今回はじめて考えたわけではなかったです。どちらが表とも裏とも限定できないし、表裏一体っていう言葉もあるように、くっついているもので、裏も表も密接して成立しているものだと思っています。

塚田:「デザインの裏」という言葉にはメイキングという捉え方もあると思います。デザインができあがるまでのプロセス、ということですが、実際にそれを見せるのはちょっと恥ずかしい、というかわざわざ見せるものでもないかな、と思うんです。考え方を物理的に落とし込んだ最終形をしっかり見てもらって、そこに至る経緯は想像をしてもらえればいいと思っています。

裏を見せるのは、恥ずかしい

秀親:僕らは多摩美の同級生で、卒展のポスターの原案を2人でつくったことをきっかけに、そこから延長に次ぐ延長でここまで来ています。作る時のプロセスとして「テーマ」が重要と考えていて、何か投げかけがあって、それにどう答えるか、ということをやってきたから今まで活動を続けてこられた部分があります。誰かがきれいにつくってくれた文字をわざわざ壊して、ちぎって、面白がってやっていたら、それを楽しんでくれる人がいて。大勢ではないけれど、昔からそういう人がいたことに助けられてきました。

塚田:正直、30年近くこの仕事をやっていると方法論みたいなものができあがってきます。Aパターンでやってみるか、Bパターンでやってみるか、みたいな。でもそれに当てはめていくと抽象性が高くなって、どこにでもフィットするようなものになってしまう。でも、毎回もらうテーマが違って、そのテーマに文字通り応えようとすると、結局、パターンだけではおさまりません。今回も「デザインの裏」というテーマがあり「東京ミッドタウン」という場があり。裏ってなんだろう?東京ミッドタウンでやるためには?と考えていくことで、出来上がるものに汎用性はなくなり、その場にぴったりのものが出来上がります。結局のところ、毎回毎回、一から進めていくしかないわけです。

タイポグラフィの面白さとは

塚田:「タイポグラフィ」という言葉は今ではいろんな解釈があるので、どの部分を説明したらいいのか難しいところではありますが(笑)。その面白さのひとつを挙げると、文字には「見る」と「読む」という2つの面があります。文字そのものの形や色を楽しむだけでなく、それが何と書いてあるのか、意味を理解しようとしてしまうのが面白いところで、その「見る」ことと「読む」ことのギャップやバランスの駆け引きが楽しいです。例えば、こんな「悪」。意味としては悪いけれど、フォルムが可愛い、という。

タイポグラフィの面白さとは

秀親:「悪」。2人のどっちが「悪」かって言ったら、哲ちゃんだろうな。見た目が可愛いとかじゃなくて(笑)

塚田:まぁ否定はしない(笑)。文字はほんのちょっと変えるだけで、形も意味も違うものになっちゃう。誤字・脱字とか空目とかいうニュアンスも入って来るし、文字をつかってデザインを始めた頃はそういう面白さがいっぱいありました。ただ、いろいろと経験をしていくと、徐々に知識が増えてくるけれど、逆に初期衝動が減っていくおそれがあります。いかに新鮮に、フレッシュな気持ちでやっていけるかという問題があります。

秀親:漢字を初めて書いた外国の人の文字ってとっても面白くて、漢字をそう捉えるんだ!と驚きます。僕らは概念をもう持っちゃっているからなかなかそうはなれません。でも、そういう気持ちになりたい。概念なしに不安を持ちながら文字を捉える思考回路がほしい(笑)。文字を見つめているとゲシュタルト崩壊が起きるけど、あの感覚の逆というか。

塚田:名付けて「ゲシュタルト合体」ね(笑)。要素は完全に崩れてるんだけど文字に見えているという。といっても脳内の話だから誰も理解できないだろうけど(笑)。

秀親:まあ、どんどん物忘れしてくるからちょうどいいけどね。それから、ずっと文字をあつかってデザインをしているうちに、いわゆる紙の上に印刷された文字、というものからどんどん範囲が拡がってきました。文字が立体になったり、時間軸を加えたアニメーションになったり、本の上の文字も、ページをめくることで文字が変わる「しかけ」ができたり。毎回「テーマ」を投げかけられるっていうのはそういう点でも大切で。そういうお題やテーマをもらうことで、僕らにも常に発見があるわけです。

塚田:15年ほど前から「書」をやっているのですが、書を通じて文字ができあがっている骨組みや、考え方を知りました。文字がどうしてそういう形になっているかを体感すると、筆の動きなど見えないところが見えてきます。文字を知ったうえで、文字をいじってみると、知らなかったときより説得力をもってその形を変えてみることができます。これからもまだまだ知ることがいっぱいあると思っています。もちろん、文字に対して新鮮な気持ちで接していくことと、両方の心構えでやっていかなくちゃいけないんすけどね。

デザインは3時のおやつ

デザインは3時のおやつ

塚田:街や商業空間とデザインの関係性を考えたときに感じるのは、ちょっとデザインにあれこれ背負わせ過ぎていないか?と。僕はあまりデザインに頼り過ぎなくてもいいんじゃないかと思っていて。グラフィックも含めて物事が過不足なく、いい感じのところに収まっていればいいのではないかと。デザインに必要以上に社会性を持たせなくてもいいと思うんです。

秀親:何かものがあって、それを装飾することがデザインではないですよね。車が早く走るためにあの形状になっているように、いろんなものが、必要な部分できれいになっていったり、必要なだけ必要な形状に決まっていったりする。それが素敵なことなんじゃないかと思っています。

塚田:必要なものが必要なだけ、となると僕らは排除されるかもしれないね(笑)

秀親:僕らは、3時のおやつみたいなもので(笑)。なくてもいいけれど、あると幸せ。でも朝昼晩の方が大事という。

塚田:楽しいけれど、ちょっと体に悪い感じね。

秀親:僕らは毎回ある法則やルールを設定して、それが分かるとすべてを理解できるように作っています。『ウラファベット』をはじめ僕らのつくったものを見る人にとって一番楽しく思ってもらえるのは、なんだかわからないところからその法則を理解できる時だと思います。パッと見て、その後に、なるほど!と感じてもらって、それが、こういうことを考えてつくっていたんだ!という「デザインの裏」を実感する瞬間です。

塚田:その「気づき」に、2回目はない。なぞなぞやクイズみたいなもので、一度わかってしまうと「気づき」はもう味わえない。相違点や類似点を探して理解するまでにちょっと時間がかかりますが、その気付きの快感、みたいなものをぜひ味わってほしいと思います。

秀親さん、塚田さんにとって「デザイン」って何ですか?

例えば、僕らのやっていることってAIに移植して学習させたらできるかもしれない。でも最初のきっかけはAIにはできない。そのきっかけがデザインだと思います(秀親)。

今では「デザインすること」は世の中に広く浸透していて、グラフィックデザインもみんなできるし、すでにAIが行っているものもたくさんある。AIがすべて作ってくれる日もそう遠くはないかもしれない。でも僕らのやってることは、AIだとバグとかエラーと認識されて実行できないような、考えの裏をつくようなことや気づきをもたらすことだと思っていて、それをデザインと呼ぶのかもしれません(塚田)。

参加クリエイターが語る
Interview Movie

出展作品の見どころ篇

ウラファベット

これからのデザイン篇

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