デザインコンペ

デザインコンペ

Tokyo Midtown Award 2017デザインコンペ結果発表

デザインコンペ概要

テーマ TOKYO
審査員 小山 薫堂、佐藤 卓、柴田 文江、原 研哉、水野 学
グランプリ(賞金100万円)─── 1点
準グランプリ(賞金50万円) ─── 1点
優秀賞(賞金30万円)─── 1点
審査員特別賞(賞金5万円)─── 5点
  • ※グランプリ受賞者を、世界最大規模の家具見本市「ミラノサローネ」開催中に、イタリア・ミラノへご招待します。(グループの場合は2名まで)
応募期間 2017年6月23日(金)~7月24日(月)

グランプリ

東京クラッカー

  • 東京クラッカー
  • 受賞者:

    加藤 圭織
    茨城県出身
    加藤 圭織

「東京タワー」がモチーフのパーティー用クラッカーです。クラッカーを鳴らすと、東京駅、日本橋、歌舞伎座など、たくさんの「東京を代表する名所や名物」の紙片が舞い散ります。紐を引くだけで、どこにいても東京の風景を思い起こさせてくれます。パーティーの演出はもちろん、これからの東京をより一層盛り上げてくれるアイテムになればと考えました。このクラッカーで、世界中に東京の楽しさを伝えることができれば嬉しいです。

準グランプリ

母からの仕送りシール

  • 母からの仕送りシール
  • 受賞者:

    山中 桃子
    神奈川県出身
    山中 桃子

生まれてはじめて上京するとき、わくわくする気持ちの中には、不安や寂しさがあります。
旅立つ子どもの背中を見て、母は心配、嬉しさ、そして心からの応援があります。
「東京はへんな人が多いからね」 「野菜ちゃんと食べてる?」 「いつでも連絡しなさい」
照れくさいけど伝えたいたくさんの言葉を、仕送りに貼るケアマークにしました。
あたりまえだった母の言葉が、特別に感じる東京。 遠い故郷から、想いを運ぶシールです。

優秀賞

東京はしおき

  • 東京はしおき
  • 受賞者:

    6
    本山 拓人
    新潟県出身
    不破 健男
    千葉県出身
    本山 拓人、不破 健男

TOKYOの魅力は、街に集まる多様な人々とそこで生まれる交流や文化だと思います。そんな都市としての成熟は、多くの川が流れ込む地形と、江戸時代より人の往来を繋ぐ、五百を越える橋によって支えられてきました。
そんな文化的象徴としての「橋」をモチーフに、「はし」おきをデザインしました。個性豊かなはしおきは、カトラリーレストとしても使えます。TOKYOの歴史と文化を発信する、新しいおみやげにぴったりではないでしょうか。

審査員特別賞

小山薫堂賞江戸前ブラシ

  • 江戸前ブラシ
  • 受賞者:

    平井 良尚
    埼玉県出身
    吉野 萌
    奈良県出身
    平井 良尚、吉野 萌

江戸前ブラシは、江戸、つまり今の東京で生まれた料理である「鮨」をモチーフにした歯ブラシです。食べ物で歯を磨くという真逆な体験を提供します。
ヘルシーな日本食で口腔内もヘルシーになりましょう。鮮度が落ちたら(毛先が広がったら)新しい物をお使いください。

佐藤卓賞スカートせんす

  • スカートせんす
  • 受賞者:

    佐藤 翔吾
    埼玉県出身
    嶋澤 嘉秀
    埼玉県出身
    深澤 冠
    東京都出身
    木川 真里
    宮城県出身
    佐藤 翔吾、嶋澤 嘉秀、深澤 冠、木川 真里

女子高生のスカートを、扇子にしました。日本のKawaiiアイコンとしても知られるファッション性の高い東京にある高校の制服を、性別も年齢も国籍も超えて誰もが楽しめるファッションアイテムに。扇子に新しい風を吹き込み、東京が誇るかわいいの力を改めて世界に発信します。

柴田文江賞ゲタサンダル

  • ゲタサンダル
  • 受賞者:

    富永 省吾
    熊本県出身
    綿野 賢
    神奈川県出身
    浅井 純平
    青森県出身
    富永 省吾、綿野 賢、浅井 純平

時代の流れとともに生活から離れていった「下駄」を、合成樹脂で再現したサンダルです。
「伝統的な生活用品」を「現代的な素材」で再構築することで、古くから続く日本文化を、より気軽で身近なものにします。
多様な文化が混じり合い、共存する東京。常にアップデートを続けるこの街らしい、新しい履き物です。

原研哉賞TOKYO 影皿

  • TOKYO 影皿
  • 受賞者:

    田村 有斗
    長野県出身
    岡 駿佑
    佐賀県出身
    阿部 真里子
    神奈川県出身
    佐藤 絢香
    佐賀県出身
    田村 有斗、岡 駿佑、阿部 真里子、佐藤 絢香

世界のどこにいても、晴れた日の東京を感じられるストリートな紙皿。
東京中に溢れ、景観を損なうと嫌われがちな無秩序な人工物たち。しかしそんな人工物の溢れる風景は、いつの間にか私たちの原風景になっています。この紙皿を使えば、いつでも、どこでも、東京の街中でピクニックをしている気分になれるかもしれません。

水野学賞TOKYO WAGARA

  • TOKYO WAGARA
  • 受賞者:

    須田 諒
    群馬県出身
    鹿野 峻
    神奈川県出身
    柳澤 駿
    長野県出身
    須田 諒、鹿野 峻、柳澤 駿

東京都のシンボルマークを用いた和柄です。世界には様々な特有の柄が存在し、それぞれの文化を象徴して受け継がれてきました。
東京を象徴するマークを繋げ、無限に広がってゆく和柄模様へと発展させる事で、東京独自の粋な文化やコミュニケーションが世界へ広がってゆくよう思いを込めて。
未来への発展を願った「TOKYO WAGARA」です。

審査員総評

  • 小山 薫堂
  • 小山 薫堂
    (放送作家/京都造形芸術大学副学長)

    私の記憶が確かならば…審査員全員が認める作品が一つも出なかったのは、今年が初めてである。記念すべき10回目のテーマは「TOKYO」。実にストレートかつ、たくさんの興味を集めそうなテーマだが、期待値が上がった分、審査が非常に難しかった。

    応募作の切り口もこれまでで最もバラエティーに富んでいたのだが、特に多かったのが「江戸切子」と「東京タワー」をモチーフにしたもの。みなさん、そんなに江戸切子が好きですか?江戸切子のグラスを持っていますか?東京タワーに最後に行ったのはいつですか?

    無関心な人々を振り向かせ、空っぽの心に愛を注ぎ込むのがデザインの力だとすれば、まずはデザイナー自身がそこに偽りなき愛を込めなければ、説得力に欠けてしまうのかもしれない。

  • 佐藤 卓
  • 佐藤 卓
    (グラフィックデザイナー )

    Tokyo Midtown Awardのデザインコンペは、ユニークな提案が集まってきて、我々審査員も「あ!そういうアイデアもあったか!」と納得させられ、大いに楽しませてもらっている。それが「モノ」の場合もあれば、意外な「コト」の提案でもあったりする。過去の受賞例としては、一年の真ん中の日を祝おうという「MID DAY」などは、その代表格だろう。このような意外なアイデアが、今年は残念ながら見当たらず、過去の受賞作品に影響を受けた作品が多かったように感じられる。審査員全員が投票した満票の作品が今年はなかったことが、それを物語っていたように思う。しかし、こういう時こそチャンスでもあるので、今後に期待したい。

  • 柴田 文江
  • 柴田 文江
    (プロダクトデザイナー/武蔵野美術大学教授)

    今年で10回目となる審査会も多くの楽しいデザインに出会えました。例年との違いとしては、サービスなど無形のアイデアが多かったように感じました。単に美しいという表層を整えるだけがデザインの役割ではないことが広く認知されているのだと、審査会を通じて再確認できました。今後のアワードは、色や形というデザインのわかりやすい部分よりも、提案のユニークさや企画の実現性などを重点的に読み込むよう変化してゆくのではないかと予想しています。そんな中でも、提案と表現の総合力が秀でて高い作品が上位に選ばれる結果となりました。この中から、アワードを飛び出して世の中に羽ばたく作品が生まれることを期待しています。

  • 原 研哉
  • 原 研哉
    (グラフィックデザイナー/武蔵野美術大学教授)

    東京タワーに関するものが多く、還暦直前59歳の東京名所ながら、その根強い人気に、同い年として勇気をもらった気分です。今回、不可避の事態が発生し、僕は他の審査委員と同じ場所での審査に参加できませんでしたが、一人だけの審査に見落としがないようにと、いつも以上に集中できたことは新鮮でした。印象に残っているのは、東京の名所で、「記念スタンプ」ならぬ「毛筆で名所の名前を書いてくれる」というサービスでした。腕に覚えのある老人が、力を発揮してくれる情景が目に浮かび、素晴らしいと感じました。東京の複雑な鉄道路線を、色とりどりの縮れた「グミ」にする案も、面白いと思いましたが、いずれも受賞には至っていませんでした。

  • 水野 学
  • 水野 学
    (クリエイティブディレクター/慶応義塾大学特別招聘准教授)

    デジタル化が進み、インターネットが生まれ、世界が狭くなったと言われるようになった現代において、実体験により得られる価値意識の変動が起こっている。それはつまり、人々の記憶に造形される、都市(風土)の価値自体が変動しているということでもあるのではないだろうか。この変動期に入った「世界」の中で、都市の魅力をいかに、より良い記憶の定着へと導くことができるかが、今後100年の都市の価値そのものをも決めてしまうと言っても過言では無いだろう。その価値向上の、多くの部分を担うことになるであろう「見え方のコントロール」。この見え方のコントロールとはつまりブランディングであり、デザインでもあるのだ。100年200年を見通す、若く強いデザイナーがこのアワードから輩出され続けることを期待して止まない。

審査風景

デザインコンペ総括

実施10回目となるデザインコンペは、「TOKYO」をテーマに作品を募集し、1,162作品の応募がありました。

審査会では「デザイン力」「提案(プレゼンテーション)力」、「テーマの理解力」、「消費者ニーズの理解力」、「商品化の可能性」を基準に、5人の審査員が応募シート(プレゼンテーションシート)を審査。1次審査で入賞候補の選出を行い、2次審査で論議を重ね、「グランプリ」1作品、「準グランプリ」1作品、「優秀賞」1作品、審査員各自が選んだ「審査員特別賞」を5作品、計8作品を選出しました。(※審査員総評にも記載がありますが、今回原研哉氏は他審査員とは別日に単独で審査を実施しました。)

今年の応募作品を振り返ると、例年以上にコンセプトやサービスに関する提案を多く頂きました。これは2016年のグランプリ作品の影響もあるのでしょう。また、まさにTOKYOというテーマが持つ多様性、現代性の反映なのだろうとも思います。

例年より特別に多かった提案分野は、交通や観光に関すること、仕組みやアプリなどで日常生活に利便を与えるものです。一方、分野を問わずに、東京が持つ様々な意匠、アイコン的な存在、歴史や文化をプロダクトに落とし込んだ提案を数多く頂きました。

こうした中でグランプリとなった作品は、東京を代表するランドマークなどを詰め込み、誰しもが共有する東京のイメージを手のひらにまとめたものでした。無数の切り口が考えられるTOKYOというテーマですが、多様な東京をそのまま包含するという、ともすると収拾がつかなくなりかねない方法を選んだ提案で、賑やかさを保ちつつ、煩雑にならないように抑制したグラフィックでまとめあげた説得力が見事でした。

パーティーを彩るクラッカーというアイテムはまた、都市の祝祭性とも結びつきます。そして、舞い散る様子を思い浮かべると、超巨大都市の持つ儚さや、日本的な散り際も感じさせます。こうした重層的な意味も喚起させるこの提案は、TOKYOというテーマを表現するグランプリに相応しいと考えます。

これまでと同様に入賞作品については、商品化・実現化の可能性を探っていきます。
主催者として、日本の文化、伝統的な技術や素材を活かした作品を、商品化サポートを通じて、日本だけではなく海外にも発信していきたいと考えています。

最後になりましたが、ご応募いただいた全ての皆さま、今回はチャレンジしてくださり、ありがとうございました。

※HP上の受賞作の作品写真は全て、受賞決定後に受賞者自身により制作いただいた模型を主催者が撮影したものです。審査の対象となったプレゼンテーションシート内容とは異なります。各プレゼンテーションシートは10月13日(金)~11月5日(日)の期間中展示スペースにてご覧いただけます。