アートコンペ

アートコンペ

審査員

大巻伸嗣Shinji Ohmaki

  • 大巻伸嗣/Shinji Ohmaki
  • アーティスト

    影や闇といった身近であるが意識から外れてしまうもの、対立する価値観の間に広がる境界閾、刻々と変化する社会の中で失われてゆくマイノリティー等に焦点を当て、「存在」とは何かをテーマに制作活動を展開する。「空間」「時間」「重力」「記憶」をキーワードとして、多種多様な素材や手法を用いて、曖昧で捉えどころのない「存在」に迫るための身体的時空間の創出を試みる。主な作品として、『ECHO』シリーズ、『Liminal Air』、『Memorial Rebirth』、『Flotage』、『家』シリーズ、『Gravity and Grace』等がある。日本国内のみにとどまらず、世界中のギャラリー、美術館などで意欲的に作品を展開している。

コメント

昨年はコロナによって大変な年となりました。ある地域だけ、ある民族だけというものではなく、世界的に人類が問題意識を共有していると言えます。 アートや文化活動が制限されていく中で、アーティスト達は新しい表現や活動の仕方を模索し、挑戦し続けています。昨年のTOKYO MIDTOWN AWARDでは、これまで通りの対面式の審査が出来ず、インターネット中継を介して行われました。画面越しの交流では、何か大切な事を伝えきれないもどかしさが常にありました。このTOKYO MIDTOWN AWARDでは、架空のバーチャルな体験を作るのではなく、フィジカルな体験として、実空間に設置する事が求められます。これはTOKYO MIDTOWN AWARDにとって、揺るぎない重要な核となるものです。 社会がどのような状況にあっても、人間としての感覚や機能を研ぎ澄ます事を続け、人と人が関わる瞬間を東京ミッドタウンに作り出してほしい。参加者の皆さんと、最大限に感じ、考え、困難に対峙しながら未来を一緒に築いていくことを願っています。

金島隆弘Takahiro Kaneshima

  • 金島隆弘/ Takahiro Kaneshima
  • ACKプログラムディレクター/京都芸術大学客員教授

    1977年東京生まれ、京都在住。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了後、ノキア社、株式会社東芝、東京画廊+BTAP、ART iTを経て2007年にFECを設立。展覧会企画、交流事業のコーディネーション、アーティストの制作支援、東アジアの現代美術の調査研究などを手がける。2011年よりアートフェア東京エグゼクティブディレクター、2016年よりアート北京アートディレクターを経て、現在は2021年より国立京都国際会館で開催される新しい形のアートフェアACK (Art Collaboration Kyoto)のプログラムディレクターを務める。

コメント

時代の大きな節目を感じながら、TOKYO MIDTOWN AWARD アートコンペの審査員を担当して今回で4回目をむかえますが、社会の転換点に立たされていることをここまで実感したことはありません。コロナという大きな渦に巻き込まれた私たちの生活、そしてこれからの社会はどうなっていくのでしょうか。先行きが見通せず不透明で、不安な空気が漂う一方、突然私たちの目の前で、形骸化した既存のシステムが新しく置き換えられ、その変化に消化不良になりながらも、そこから次の新しい可能性を見出さなければならない、そんな時代なのかもしれません。現代アートにおいても、展示に限らず、制作や審査のあり方自体も変化を強いられている中で開催される今年のコンペは、より特別な期待を抱きながら、皆さんからの応募を心待ちにしたいと思います。

クワクボリョウタRyota Kuwakubo

  • クワクボリョウタ/Ryota Kuwakubo
  • アーティスト/情報科学芸術大学院大学 [IAMAS] 教授/
    多摩美術大学情報デザイン学科非常勤講師

    現代美術を学んだ後、1998年に明和電機との共作『ビットマン』を制作し、エレクトロニクスを使用した作品制作活動を開始。デジタルとアナログ、人間と機械、情報の送り手と受け手など、さまざまな境界線上で生じる事象をクローズアップする作品によって、「デバイス・アート」とも呼ばれる独自のスタイルを生み出した。2010年発表のインスタレーション『10番目の感傷(点・線・面)』以降は、観る人自身が内面で体験を紡ぎ出すような作品に着手している。その他の代表作に『ビデオバルブ』、『PLX』や、Sony CSLに開発参加した『ブロックジャム』、『ニコダマ』などがある。ソロ活動の傍ら、生活と実験のアートユニット、パーフェクトロンの一員としても活動している。

コメント

なんでもないことが普通にできない日々が続きます。昨今よく耳にする「不要不急」というワードは、表現を行ったり受け取ったりする私たちを困惑させます。人間が文明を築くにあたり必要とされてきたのが他ならぬ不要不急の営みである、という逆接に私たちは気づいているからです。ですからどんなに行動が制限されるとしても、それに合わせて想像力を抑え込んではならないのです。そういうことをお互いに伝えあう場になるといいですね。

永山祐子Yuko Nagayama

  • 永山 祐子/Yuko Nagayama
  • 建築家

    1975年東京生まれ。1998年昭和女子大学生活美学科卒業。1998−2002年 青木淳建築計画事務所勤務。2002年永山祐子建築設計設立。主な仕事、「LOUIS VUITTON 京都大丸店」、「丘のある家」、「ANTEPRIMA」、「カヤバ珈琲」、「SISII」、「木屋旅館」、「豊島横尾館(美術館)」、「渋谷西武AB館5F」、「女神の森セントラルガーデン(小淵沢のホール・複合施設)」など。ロレアル賞奨励賞、JCDデザイン賞奨励賞(2005)、AR Awards(UK)優秀賞(2006)「丘のある家」、ARCHITECTURAL RECORD Award, Design Vanguard(2012)、JIA新人賞(2014)「豊島横尾館」、山梨県建築文化賞、JCD Design Award銀賞(2017)、東京建築賞優秀賞(2018)「女神の森セントラルガーデン」など。現在、ドバイ国際博覧会日本館(2021)、新宿歌舞伎町の高層ビル(2022)、東京駅前常盤橋プロジェクト「TOKYO TORCH」などの計画が進行中。

コメント

TOKYO MIDTOWN AWARDに今年から審査員として関わらせていただくことになりました。このアワードの魅力は多くの人の目に触れる場所に、実物展示ができるところだと思います。今年はコロナ禍の中の開催となります。私たちが今まで体験したことのない未曾有の状況の中、アートはとても重要な役割を担っていると思います。これからを示唆し、私たちを解放してくれるような作品を期待しています。

林 寿美Sumi Hayashi

  • 林 寿美/Sumi Hayashi
  • インディペンデント・キュレーター/成安造形大学客員教授

    兵庫県神戸市生まれ。国際基督教大学教養学部卒業後、1989年よりDIC川村記念美術館に勤務。「なぜ、これがアートなの?」「ロバート・ライマン」「ゲルハルト・リヒター」「マーク・ロスコ」などの展覧会を企画。2012年に同館を退職後、ヨコハマトリエンナーレ(2014/2020)、「Robert Frank: Books and Films, 1947-2017」(デザイン・クリエイティブセンター神戸)、「トラベラー まだ見ぬ地を踏むために」(国立国際美術館)、モリムラ@ミュージアム(大阪・北加賀屋)ほか、内外の展覧会やプロジェクトに携わる。2019年には神戸のアート・プロジェクト「TRANS- 」のディレクターを務めた。美術評論家連盟常任委員。

コメント

「アートを消費しない」。美術に関わる仕事を四半世紀以上続けるなか、私が座右の銘にしているのはこの言葉です。偶然にも、TOKYO MIDTOWN AWARDが同じ志を持ってこのコンペティションを開催していらっしゃると知りました。人工知能の発達や宇宙開発が加速度的に進むかたわら、世界の状況が予告なしに激変する今日、人間にしか生み出せないものや創造的思考が広く切望されています。アートが時代に寄り添うだけでなく、時代を超えた原動力や時代を導く推進力になった時、それは消費されることなく未来に受け継がれるレガシーになるのでしょう。もうひとつの大きな志に出会えるのを心から楽しみにしています。