東京芸術大学大学院美術研究科、英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート現代美術キュレーティングコース修了。熊本市現代美術館など公立美術館での12年の勤務を経て、2013年よりインディペンデント・キュレーターとして活動。近年の主な展覧会に「インター+プレイ」、「AKI INOMATA:シグニフィカント・アザネス」、「ウソから出た、まこと」、「毛利悠子:ただし抵抗はあるものとする」、「ラファエル・ローゼンダール:ジェネロシティ 寛容さの美学」(十和田市現代美術館、青森、2018~2022)、ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020(横浜)、杭州繊維芸術三年展(浙江美術館ほか、杭州、2019)、「Enfance」(パレ・ド・トーキョー、パリ、2018)など。現代美術オンラインイベントJP共同主宰。株式会社コダマシーン共同代表。
異なる専門領域をもつ審査員が携わる、間口の広い賞ですね。彫刻はもちろん、絵画や写真、デジタル技術を使った作品や、もっと別の形態にも対応しています。また商業的プロジェクトを抱えているメンバーもいますので、「アートはこうでなきゃ」といった堅さから離れた機会と捉えてもらえると嬉しいです。縛りは一つ——パブリックな場所で、偶然そこを通りかかる大勢の人たちに見せる作品になる、ということだけです。楽しみにしています!
現代美術を学んだ後、1998年に明和電機との共作『ビットマン』を制作し、エレクトロニクスを使用した作品制作活動を開始。デジタルとアナログ、人間と機械、情報の送り手と受け手など、さまざまな境界線上で生じる事象をクローズアップする作品によって、「デバイス・アート」とも呼ばれる独自のスタイルを生み出した。2010年発表のインスタレーション『10番目の感傷(点・線・面)』以降は、観る人自身が内面で体験を紡ぎ出すような作品に着手している。その他の代表作に『ビデオバルブ』、『PLX』や、Sony CSLに開発参加した『ブロックジャム』、『ニコダマ』などがある。ソロ活動の傍ら、生活と実験のアートユニット、パーフェクトロンの一員としても活動している。
写真術の発明によって当時の画家たちが右往左往したように、今日AIの発達を目の当たりにしている私たちもまた、自分自身の存在意義をめぐってあれこれと考えざるを得ない状況にあります。当時の芸術家はざっくりいうと、写真を取り込む派と写真を拒絶する派の二手に分かれたと言っていいでしょう。結果的にその両極があって次世代の芸術が形作られてきたのです。では、現代に生きるあなたは今の世界にどう応答しますか?そういうことを考えながら応募を待ちたいと思います。
1975年東京生まれ。1998年昭和女子大学生活美学科卒業。1998−2002年 青木淳建築計画事務所勤務。2002年永山祐子建築設計設立。2020年〜武蔵野美術大学客員教授。主な仕事、「LOUIS VUITTON 京都大丸店」、「丘のある家」、「豊島横尾館(美術館)」、「女神の森セントラルガーデン(小淵沢のホール・複合施設)」「ドバイ国際博覧会日本館」、「玉川髙島屋S・C 本館グランパティオ」、「JINS PARK」など。ロレアル賞奨励賞、JCDデザイン賞奨励賞(2005)、AR Awards(UK)優秀賞(2006)「丘のある家」、ARCHITECTURAL RECORD Award, Design Vanguard(2012)、JIA新人賞(2014)「豊島横尾館」、山梨県建築文化賞、JCD Design Award銀賞(2017)、東京建築賞優秀賞(2018)「女神の森セントラルガーデン」、照明学会照明デザイン賞最優秀賞(2021)「玉川髙島屋S・C 本館グランパティオ」、World Architecture Festival(2022)Highly Commended「JINS PARK」など。 現在、東急歌舞伎町タワー(2023)、2025年大阪・関西万博パナソニックグループパビリオン「ノモの国」、東京駅前常盤橋プロジェクト「TOKYO TORCH」などの計画が進行中。
TOKYO MIDTOWN AWARDの審査も3年目となります。ちょうどCOVID-19によって私たちを取り巻く世界が大きく変わるタイミングでもありました。その中でアーティストがどんなテーマを見つけ自己の作品を制作していくのか、その生み出されたアート作品が世の中にどんな風に捉えられ、どう広がっていくのかを見させていただきました。様々な作品を通し、それぞれの捉え方を追体験し、生身の私たちが今生きていく切実さを改めて感じました。この賞の特徴としては審査過程の審査員と応募者の対話です。作品のバックグランドを理解し、議論し、作品が進化していく姿を目の当たりにし、制作のプロセスを共有する感覚があります。今年もぜひ多くの対話を持つことのできる作品を楽しみにしております。
兵庫県神戸市生まれ。国際基督教大学教養学部卒業後、1989年よりDIC川村記念美術館に勤務。「なぜ、これがアートなの?」「ロバート・ライマン」「ゲルハルト・リヒター」「マーク・ロスコ」などの展覧会を企画。2012年に同館を退職後、ヨコハマトリエンナーレ(2014/2020)、「Robert Frank: Books and Films, 1947-2017」(デザイン・クリエイティブセンター神戸)、「トラベラー まだ見ぬ地を踏むために」(国立国際美術館)、モリムラ@ミュージアム(大阪・北加賀屋)ほか、内外の展覧会やプロジェクトに携わる。2019年には神戸のアート・プロジェクト「TRANS- 」のディレクターを務めた。美術評論家連盟常任委員。
長く続いたパンデミックも、ようやく終焉の兆しを見せ始めました。たった3年ちょっとの間に、時間や空間に対する考え方、他者との関わり方、物事に対する価値観、そして何より生き方の指針や方向性が大きく変わった人も少なくないでしょう。それだからこそ、未来の人間の営みを予感させるような美術作品の誕生が期待されています。東京ミッドタウンはそのために用意されたポータル(門)のようなもの。魅惑的な異世界に誘われるのを楽しみにしています。
1990年代初頭より、「現代社会におけるサヴァイヴァル」をテーマに機能性を持つ大型機械彫刻を制作。ユーモラスな形態に社会的メッセージを込めた作品群は国内外から評価が高い。2017年、「船乗り猫」をモチーフにした、旅の守り神《SHIP’S CAT》シリーズを制作開始。2022年に開館した大阪中之島美術館のシンボルとして《SHIP’S CAT(Muse)》(2021)が恒久設置される。
新しい時代を作る創造のエネルギーは常に大容量の熱を持って古い概念を破壊してきた。既存の仕組みや価値観におもねるような作品は見たくありません。我々審査員を驚かし脅かし屈服感嘆するようなとてつもない才能をぶつけてください。