2020年8月5日Award News
279点の応募作品の中から、1次審査(書類審査)、2次審査(オンラインプレゼンテーション)を経て、最終審査に進む6作品が決定しました。
これらの6作品は実際に制作、東京ミッドタウン「プラザB1」にて展示され、2020年9月29日(火)に行われる最終審査(実物審査)にて、グランプリ、準グランプリ、優秀賞を決定します。
各賞は2020年10月16日(金)に発表予定です。
作品を通して自然というものをどういうふうに表現するか。モーターを使って、空間の中で曲線を生み出すにはどのような素材を用いるべきか。自分が認識している重力や物質の問題を反転させてものを捉え直してもらえると、本番でより新たな作品の展開と、新たな空間の可能性と、物質の可能性を問う作品になるのではないかと思います。
木炭というシンプルな素材やコンクリートなど日常にある物質を使っていることに興味を持ちました。ステイホームが叫ばれる今の時代、自分の立ち位置から社会の失っていく風景というものを問い直すこと。家というものが記憶や時間や歴史の中でどういうふうに存在するのか。多くの人に問う作品になる可能性があるのではないかと思いました。
絵画というと、どうしても描いたものをどう壁にかけるかということが問題になりがちです。あえてそこではなく、東京ミッドタウンにすでにある環境と、自分の描く行為とをどう接続するかを起点に、実際の光を意識しながら平面を描かれているという点が印象深く、考えていることと実際の作品のイメージがとてもよく伝わってきました。
一貫して12フィートの木材を持って歩いているというところに興味を持っています。この状況下で、自分たちの身体を使って何を感じ取れるかということにますます強く重要性を感じています。これから東京ミッドタウンの近くに足を運んで作品を作るなかで、何を感じて、どういう出会いがあるかに期待したいと思います。
photograph:
Takeru KORODA
髪の毛という生々しい素材を使っている割には、出てくる動物や虫や植物がかわいらしく、そのギャップが印象的でした。人の体の一部を、その固有名詞から離れて量として還元するということや、知らない人から集めたものがどういうものなのかをよく考え、意識していただきたいと思います。かわいらしさと生々しさが魅力だと思って頑張ってください。
TOKYO MIDTOWN AWARD 2020 アートコンペ
https://www.tokyo-midtown.com/jp/award/art/
審査員コメント
場所と常に出会いながら、現実の被膜のようなものを剥がしていくようなことを数多く手掛けてきた経験値に期待が集まりました。大阪の日常を象徴している素材の中にどんな世界を見せてくれるのか。東京の郊外といったとき、その郊外とは何なのか。オンラインで繋がっているどことも言えない場所とも我々は繋がっているのかなということも感じさせました。