鈴木啓太さん（2008年度デザインコンペ受賞者）

デザイナーとして自分の実力を試してみたい、それが応募したきっかけでした。授賞式で審査員の水野学さんから「面白いね、商品化したらきっと売れるよ」と声をかけていただいた頃は、まさかそれが実現するとは思ってもみませんでした。ところがある日、東京ミッドタウンから一本の電話がかかってきて水野さんと再会、本格的に商品化に向けて動き出したのです。

2010年1月7日、「富士山グラス」が発売され、半年ぐらい経った頃から徐々に売れ始め、今ではかなりのヒット商品になっています。独立後も「富士山グラス」をご存じのメーカーの方からたくさん声をかけていただき、現在ではさまざまな分野で商品開発に携わるようになりました。この春には水野さんと中川淳さん（中川政七商店）と3人で「THE」を設立、世の中の新たな定番となるような「THE」と呼べる商品づくりをする夢を実現するために頑張っています。

いろいろな意味において「富士山グラス」は僕の出発点となりました。商品化を通じてデザインやビジネスに対してリアリティある体験ができ、さらにたくさんの人と出会って新しい扉が次々と開かれていくことになりました。Tokyo Midtown Awardへの応募が今日に繋がった、今はそう感じています。（談）