• Tokyo Midtown Awardとは?
  • アートコンペ
  • デザインコンペ
  • アワードニュース
  • これまでの受賞者の声
これまでの受賞者の声

これまでの受賞者の声

動画

  • アワードビデオ

ブログ

  • スタッフブログ

受賞結果

  • Midtown Award 2016
  • Midtown Award 2015
  • Midtown Award 2014
  • Midtown Award 2013
  • Midtown Award 2012
  • Midtown Award 2011
  • Midtown Award 2010
  • Midtown Award 2009
  • Midtown Award 2008

これまでの受賞者の声一覧デザインコンペ受賞者

1年のハーフタイム、“MID DAY”で皆に笑顔を!

bivouac(稻田尊久さん、姫野恭央さん、田中和行さん、田島史絵さん)/Tokyo Midtown Award 2013のデザインコンペでグランプリを受賞したのが4名のデザイナーで構成されたユニット、bivouac。作品の“MID DAY”は、「1年365日のまん中の日」という位置づけで、今年(2014年7月2日)、東京ミッドタウンでイベントとして実現された。今回は稻田さん、姫野さん、田島さんの3名にTokyo Midtown Awardと“MID DAY”について伺った。

インタビュー・テキスト 吉原佐也香

―― まず、bivouac のことを教えてください。

稻田:僕と姫野さん、今日参加できなかった田中さんがグラフィックデザイナー、田島さんはWEBデザイナーなのですが、もともとは宣伝会議のアートディレクター養成講座で知り合い、仲良くなりました。

姫野:皆、意識は高いけれど、なにかモヤモヤしている感じだったのかな。それで講義の後に毎週のように集まっては一緒に話すようになって。

稻田:この仲間となにかしてみたいと思い、グラフィックやプロダクトといった縛りのないTokyo Midtown Awardに「一緒に出してみない?」と声をかけたんです。

田島:大きな目的のためにというよりは、なにか楽しいことをやりたいと集まった感じでしたね。

稻田:ユニット名は“bivouac”にしました。メンバー全員がフリーまたは近々フリーになる予定だったので、「大きな会社の屋根がなくて雨ざらしになる」自分たちの状況を、フランス語で登山という意味の“ビバーク”になぞらえました。

まん中って何なのか

―― 作品づくりはどうやって? 受賞なさった2013年度はテーマが“まん中”でしたね。

稻田:まずは「“まん中”って何なのか」から議論をしました。デザインではなく言葉から考えていったんです。

姫野:2カ月くらい議論していましたね。

田島:毎週集まって、それぞれ考えてきたことを出しあって。

稻田:まずは上位概念として「どういう“まん中”があるのか」を抽出し、それをグループ化して方向性を見つけ、さらにそれに対して何があるかと具体案を考える。このプロセスを何度も繰り返しながら練っていきました。

姫野:たとえば“家庭のまん中”“人のまん中”という感じで“○○のまん中”を探して、

田島:“家庭のまん中”から大黒柱を導き出すとか。“男女のまん中”から混浴を見つけたり。

MID DAY

―― そして“MID DAY”に行き着いたわけですね?

稻田:話し合うなかで「モノじゃないのもアリかな」と考えだして、概念的なものとして“MID DAY”を出してみることにしたんです。前例はなかったけれど、腑に落ちれば評価はしていただけるのではないか、と。実際にはモノ系の案もつくって全部で10案ほどに絞りこみ、みんなで手分けしてエントリーシートを制作しました。

田島:一人2~3案ずつ担当して。

稻田:僕は“MID DAY”を担当しました。応募後、しばらくしてから東京ミッドタウンの方から連絡をいただきました。「入賞したので模型をつくってください」と。

―― 入賞作品は展示用に模型制作を依頼されますからね。

稻田:そうなんです。この時はまだ何賞かはわかりませんでしたが、グランプリ受賞を知ったときよりも嬉しかったですね。だって“コト”というアイデア自体がちょっとトリッキーでしょう? 「わかってくれるんじゃないかな?」という淡い期待もあったものの、内心では残らない可能性もけっこうあるだろうと思っていました。

姫野:ゼロか100、そのどっちかしかないだろうという感じですね。

稻田:なにより、デザイン界では著名な審査員の方々に評価していただけたというのが嬉しかったですね。

MID DAY展示用模型

―― グランプリ受賞の第一報はいつ? どうやって?

田島:授賞式の前日、代表の稻田さんに連絡があって、すぐにフェイスブックで知らせてくれました。

姫野:「結果は………」と書いた後、改行、改行が延々続いて。「なに?なに?」って、じりじりしながらスクロールしていったら、「グランプリ!!」と書いてあって。すごくビックリしました。

田島:嬉しいというよりまず戸惑いました。コンペ応募はほとんど初めてだったので、余計に嬉しかったです。

Tokyo Midtown Award 2013 授賞式にて

Tokyo Midtown Award 2013 授賞式にて

―― グランプリ受賞者には、「香港で開催されるビジネス・オブ・デザイン・ウィーク(BODW)へご招待」という副賞がありましたね。

稻田:はい、4人全員で行かせてもらいました。世界中のひとが集まっていて、ファッションや建築、グラフィックといったジャンルに囚われずに交流し、「良いものは良い」とフランクに評価しあっているようでした。こんなすごい賞があったなんて知らなかったので、ちょっと悔しかったですね。

姫野:日本人の受賞者もたくさんいましたが、パーティでは誰もが中国語と英語でどんどん語りあっていました。世界の広さを再認識させられ、僕らも頑張らなければ!と思わせられました。

田島:フォーラムに参加して世界各国で活躍するクリエイターの方々の講演を聴けたのも収穫でした。

稻田:グランプリを受賞して「嬉しい!」と喜んでいたら、「もっと世界は広いんだよ、こんなところで喜んでいちゃダメだよ」と突きつけられた気がしました。ほんとうにいい経験をさせていただきました。

BODW訪問の様子

BODW訪問の様子

―― それが2014年7月2日の“MID DAY”開催だったわけですね?

稻田:そうなんです。実は授賞式以前から「“MID DAY”を実現したいからプランを出してくれ」と声をかけられていて。

田島:“MID DAY”は1年のちょうどまん中の日にあたります。1年の“ハーフタイム”です。そこを国民の休日としてお祝いしましょう、というのがコンセプトでした。

稻田:正直、具体的な案を詰める作業はとても難しかったです。何カ月もかけて議論をして企画を出し、意見を聞いてはまた練り直して。

MID DAY屋外広告

―― そうして決まったテーマが「一年のまん中の日を皆で笑顔で祝おう」ですね?

田島:「皆さんを笑顔にします。あと半年を笑顔で過ごせますように。」というイベントです。東京ミッドタウンに来れば笑顔になれるサプライズをいろいろ考えました。

姫野:僕らも200案くらい提案しました。

稻田:Tokyo Midtown Awardデザインコンペの審査員の先生方にも具体的なアイデアなどで相談に乗っていただきました。当日は僕らもブースをつくり、写真を撮影してプレゼントするという企画を実現しました。来場者の顔写真をプロのカメラマンが撮影し、それを僕らがつくった“MID DAY”のメインビジュアルと同じように加工してプレゼントしたんです。「ここからまた、笑顔で一年の半分を始めましょう」という気もちを込めて。

―― イベントを終えて、今はどう感じていますか?

田島:始まるまではとても不安でした。今年の7月2日は水曜日で、平日のどまん中でした。どれだけ人が来てくれるのか心配でしたし、“MID DAY”というコンセプトがちゃんと伝わるかも不安でした。でも思った以上にたくさんの人が来てくれて、想像していた以上に楽しんでくれているように見えました。

稻田:特に子ども連れが多くて、イベントの内容もちゃんと理解してくださっていたのでほんとうに良かったです。

姫野: “MID DAY”というひとつのアイデアがいろんなものを生み出したという実感がありました。

MID DAY 当日の様子

MID DAY 当日の様子

―― このイベントは来年も続くと聞いています。抱負は?

稻田:風習の打ち出し方が難しかったのですが、一般に広まっていくように目指したいと思っています。

田島:たとえば「バレンタインデーにはチョコレート」というようなものを。見つけたいですね。

稻田:なによりいちばんの課題は、東京ミッドタウンをスタートに、他にどんな展開が可能かを考えていくことです。そのためのプランニングをこれから考えていきたいと思います。

田島:MID DAYをもっと広げていくためには、「7月2日は○○の日」と伝えるだけではなく、「どう過ごすのか」「どう祝うのか」を提案しなければなりません。そのためには皆が楽しんで参加できるような仕組みや企画が必要だし、ぜひとも実現したいと思っています。

稻田:実現できたことで、僕らはまた新しいステージに放り込まれたのかもしれませんね。

姫野:今回の経験を通して、企画やアイデアがどれだけ大切なものかを再認識させられました。来年の“MID DAY”はもちろん、自分の通常の仕事でももっとアイデアや企画を大切に仕事していければと感じています。

MID DAY Ribbon

MID DAY Ribbon

審査員 柴田文江さんのアイデアから生まれた MID DAY Ribbon

―― 今回、皆さんはユニットでチャレンジしましたが、ユニットだったことの利点はありましたか?

稻田:一人で考えられることにはどうしても限界があります。それをお互いに頭脳を借りながら、最終的にひとつの頭脳になっていくことでしょうか。

姫野:ものの見方もチームのほうが客観的にみることができるしね。

稻田:普遍性があるものに到達する可能性も大きい気がします。

田島:一人でやるよりも格段にいいものができますよね。たとえば私はアイデアや企画を出すのは好きなのですが、グラフィックが苦手です。でもメンバーの中にそれが得意な人がいれば、アイデアにカッコいい形を与えることができます。それぞれが自分の得意とすることを精一杯やりながら一つのものをつくっていくことができるのは、ほんとうに楽しかったです。

姫野:こだわりの強い人が集まっているので時々ぶつかることもありますが、たまに皆の意見がピタッ!と合うときがあるんです。そのときはほんとうに気持ちいいですね。

―― 先輩として、Tokyo Midtown Awardを目指す人たちにメッセージを。

稻田:「出そうかな」と思うなら、どんどん出した方がいいと思います。Tokyo Midtown Awardは、他のコンペと比べて親しみが持てるし、気取っていないし、実際に製品になっているものもたくさんある、懐の深いコンペです。しかも超一流の方々が審査員として見てくれます。なかなか他にないし、面白いです。

田島:Tokyo Midtown Awardは、自分が普段やったことがないこともできるチャンスだと思います。アイデアがあるなら、それをかたちにするにはほんとうにいいステージだと思います。

―― ありがとうございました。次は来年の“MID DAY”ですね。

稻田、田島、姫野:はい、“MID DAY”をもっと世の中に広げるため、頑張りたいと思います!

bivouac
bivouac
2013年に結成したフリーランスのデザイナー4人によるクリエイティブユニット。「MID DAY」にて“Tokyo Midtown Award 2013 デザインコンペ グランプリ”を受賞。2014年に東京ミッドタウンで開催された“MID DAY”WEEKイベントでは、発案者として企画に参加、メインビジュアル等を担当。
メンバー
稻田尊久:グラフィックデザイナー/1975年生まれ/広告制作会社勤務を経て2008年よりフリーランス
姫野恭央:グラフィックデザイナー/1979年生まれ/企業デザイナー経験を経て2014年よりフリーランス
田中和行:グラフィックデザイナー/1982年生まれ/広告制作会社勤務を経て2013年よりフリーランス
田島史絵:WEBデザイナー、ディレクター/1986年生まれ/IT企業のWEBディレクター経験を経て、2013年からフリーランス
ページの先頭へ戻る
>